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2004年8月 9日 (月)

中国で行なわれたサッカーアジアカップの日本での報道について

サッカーのアジアカップと言えば、オフト監督指揮下1992年広島大会での日本の初優勝が記憶に鮮明だ。 決勝での「アジアの大砲」高木のゴールだ。しかしこの直後、1994年米国で開催されたワールドカップ出場を、例のドーハの悲劇で逃してしまったのもこの時のメンバー中心のチームだった。

加茂周監督指揮下のUAE開催の1996年には準準決勝敗退。1998年フランス開催のワールドカップ予選で苦戦を強いられたのはこの時のメンバー中心のチームで加茂監督は途中で降板となり、岡ちゃんこと岡田監督が指揮を取った。そして、三浦カズと北澤豪というベテランが現地でメンバー選出に漏れてしまう「事件」が起きた。

レバノン開催の2000年にはトルシエ指揮下で2回目の優勝を果たし、2002年の日韓共催のW杯16強につながった。そして、今回の中国大会は、ディフェンディングチャンピオンとして2連覇を目指す戦いだった。

今回マスコミが煽ったのは、予選の地、重慶で中国観客が繰り広げたブーイングを主とした「反日」行為へ日本の人々の目を向けることだった。マスコミは普通の状態は報道しない、異常なことをクローズアップして報道するという癖がある。これは常時念頭に置くべきことだ。新聞、テレビとも差異はない。最近特にワイドショー化しているNHKも似たりよったり。

特に問題とされたのが、日本の国歌「君が代」の演奏のときに、起立しない中国人観客がおり、ブーイングしたという行為だった。マスコミ各社は、日中戦争から太平洋戦争にかけて重慶には臨時政府が置かれたことから日本軍による空爆にさらされ以前から反日感情が強い場所だったということ、日本との対戦チームの国歌にはそのような振る舞いがなく、日本にはブーイング、対戦チームには声援という露骨な状況だったことを報道した。また、江沢民時代の中国政府が、自国の過ちである「文化大革命」を歴史教育では教えないのに、日中戦争以降の日本軍の残虐行為を徹底的に教育し、抗日の上に成り立った毛沢東の共産党政権の正当化の道具としていることなどが、その原因ではないかと論評していた。

また、中国のマスコミが日本のマスコミ各社がこのような「反日行動」を針小棒大に報道すると批判をしたことに対しても、日本のマスコミは不快感を露わにしていた(8/4土 朝日新聞朝刊の北京特派員の記名コラム)。サンケイやヨミウリの報道姿勢は、東京都知事の親台湾・中国蔑視の態度と同じ穴の狢だから分かるが、朝日新聞も、同じ姿勢で日本のマスコミによる「中国での反日」のキャンペーン的な報道の尻馬に乗るのはどうしたことか?(決勝戦の中田浩二も途中出場と誤報していたほど)。ただ、当の日本戦をリアルタイムでは、中国国内で放映しないという異例の措置をとったということは、この問題に対する中国政府の尋常でない気遣いが見られ、中国国内でも問題になっていたことは確かだが。
 以下いつまでリンクが有効か分からないが各紙の関連OPINIONにリンクを張っておく。
日経社説 2004.08.06
朝日社説 2004.08.05
サンケイ主張 2004.08.05
読売社説 2004.08.05

マスコミ報道全般に言えることだが、もっと広い視野で報道できないのか?日本チームだけを追いかけるのではなく、他の国同士のゲーム会場ではどうだったのかは伝えられていない。中国のライバル国とされる他の国、韓国、サウジアラビアに対する態度はどうだったのか? 中国チームとの対戦でのゲーム会場の様子は? 日本チームやサポーターに対する無礼があったのは事実だろうが、それが日本だけに向けられたものなのかどうかが、日本のマスコミの誇る「事実」を伝える報道では分からない。対照実験ならぬ、対照報道があれば一目瞭然のはずなのだが。しかし、ネットで検索すれば以下のような記事もある。さらに、中国人の自国内のサッカーリーグでの応援文化が、とにかく相手チームに罵声を浴びせるものだという報道もある。

韓国紙による、対照報道的な記事
中国フーリガン「日本と韓国は嫌い」

過去のアジアでのスポーツ大会での君が代の受け取られ方
サッカーにみるブーイング史
アジアでかつて国歌歌えず(東京新聞)

中国系ネット新聞による、こちらも周辺情報を意図的にカットした記事
人民網日本版 サッカー・アジア杯、中国1-3で日本に敗れ2位

今回のサッカー大会とは違うが、日本人出演のロックコンサートでの煽りの実態がよく検証されたコラム
中国の反日機運は高くない!「煽り」記事を事実から検証する [中国]

共同通信の英語ニュース
共同ニュース
---------- Soccer: AFC delighted with Asian Cup 'theater' in Chengdu
Velappan, who upset Beijing after accusing fans of being rude at last weekend's opening match between China and Bahrain, christened the Sichuan Sports Center a "theater" after watching two thrilling matches in Group C on Thursday.

ヴェラッパン氏がオープニングゲームでの中国観客の態度に対して不快感を露わにしたところ、中国当局は逆にヴェラッパン氏に謝罪を要求したという。→と読めたが、実際は、開幕ゲームに詰め掛けた北京の観衆が少なすぎたことに立腹したというのが本当のところのようだ。
http://www.soccer24-7.com/forum/archive/index.php/t-41499
http://www.chinadaily.com.cn/english/doc/2004-07/19/content_349713.htm
ロイターのニュース

結局、試合結果は、3-1で日本の勝利だった。反日ブーイングかどうかは別にして、完全アウェーの中での勝利は見事だった。しかし、2点目の決勝点は、議論の余地のあるものだった。中村俊輔のコーナーキックを中田浩二が押し込んだのだが、それが彼のハンドではなかったかどうか。ハンドリング自体、故意にボールを扱ったのでなければファウルではないのだが、それは審判の判定次第。駄目押しの玉田のクリアな3点目のゴールがなければ揉めていたかも知れないし、疑惑のゴールだという記事もある。

審判といえば、やはり全体的にレベルが低い。これがアジアのレベルの低さが表われたものだろう。試合は的確で平等な審判がいれば、それなりに締まるものだと思う。

全体として、日本は本当に勝負強かった。キャプテン宮本の準々決勝ヨルダン戦のPK戦での冷静な抗議も効果的だった。PK戦の最中にサイドを変更することは前代未聞のようだ。そして、横浜Fマリノス所属の少々レゲエを意識した髪型と髭顔の中澤佑二のフェアで的確な守備とセットプレーでのヘディングシュートは非常に強力だった。

ただ、日本チームの技術の高さを誉める声が多いが、本当にそうなのだろうか?中東勢や中国、韓国の方が、ボール捌きなどは基本に忠実確実で、キレイでスマートなパス交換も多かった。特に攻めのときにボールを貰うときのポジショニングも的確だ。今回の日本の強さと言えば、ゴールキーパーと、セットプレーだったが、中盤でガツガツボールを取りに行く泥臭さが良かったのかも知れない。しかしボールを持つとすぐに不安げに他人にボールをパスしたり、バックスも落ち着いてクリアボールを味方にパスすべきなのに、簡単に相手にパスしてしまったり、粗も目立った。ボールを貰うポジショニングも悪いし、一旦相手に引かれてしまうと、不恰好なパス回ししかできず、そこから創造的な攻撃はなく、攻めとして単調だった。不恰好で洗練されていなけれど勝負には勝ったというイメージが強い。

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