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2005年2月 1日 (火)

リンドン女伯爵

バリー・リンドンをググッてみるとリンドン女伯爵のことを、リンドン伯爵夫人と書いてあるものが多いが、原作(プロジェクトグーテンベルクなどで読める)では、下記のようになっている。

CHAPTER XIII I CONTINUE MY CAREER AS A MAN OF FASHION 
の中間くらいのところだ。

要するに彼女自身が、リンドン伯爵家を相続しリンドン女伯爵で、イングランドのバリンドン子爵家を継ぎバリンドン女子爵でもあり、アイルランド王国のキャスル・リンドン男爵家(?)の後を継ぎキャスル・リンドン女男爵(!)、なのだろう。 in her own right というフレーズが それを如実に表す。「自己の権利で,生得の権利で,親譲りで;自分の正当な資格で;自分だけで,他に頼らずに」ということ。

Honoria, Countess of Lyndon, Viscountess Bullingdon in England, Baroness Castle Lyndon of the kingdom of Ireland, was so well known to the great world in her day, that I have little need to enter into her family history; which is to be had in any peerage that the reader may lay his hand on. She was, as I need not say, a countess, viscountess, and baroness in her own right. Her estates in Devon and Cornwall were among the most extensive in those parts; her Irish possessions not less magnificent; and they have been alluded to, in a very early part of these Memoirs, as lying near to my own paternal property in the kingdom of Ireland: indeed, unjust confiscations in the time of Elizabeth and her father went to diminish my acres, while they added to the already vast possessions of the Lyndon family.

また、彼女の夫は、リンドン姓を名乗る彼女の従兄弟だが、ジョージ二世とジョージ三世の閣僚なのでthe Right Honourable の称号がつき、バス勲位を受けているナイト爵なのでSirの尊称がつけられている。詳しくはこれこれを。

なお、その夫との間の男子で、バリー・リンドンを憎悪する人物は、バリンドン子爵と呼ばれているので、リンドン伯爵家の後継者に指名されていたようだ。リンドン伯爵の称号をレドモンド・バリーが奪おうとするところに、諍いが生じる。

当時の貴族の相続のことはよく分からないが、女性にも相続権があり、その女性と結婚しただけでは、その夫は爵位を得られなかったのだろう。映画では、バリー・リンドンが貴族の位をリンドン家の金で購おうとして、ついには破産の憂き目を見ることになる。

The Countess, when I first saw her at the assembly at Spa, was the wife of her cousin, the Right Honourable Sir Charles Reginald Lyndon, Knight of the Bath, and Minister to George II. and George III. at several of the smaller Courts of Europe.

なお、映画でリンドン女伯爵を演じるのは、マリサ・ベレンソンMarisa Berensonで、いかにも貴族らしい品のある美しさだ。なお、彼女はこの作品の前に、ヴェニスに死すで、主人公のアッシェンバッハの夫人を演じているという(あまり記憶にないので見直してみよう)。 なお、Berenson は、ユダヤ系の姓らしい。

追記:WIKIPEDIAの映画『バリー・リンドン』の「女」伯爵などの記述は、この記事に基づき、編集したもの。

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