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2005年3月24日 (木)

Anner Bylsma 70Years

所用で帰宅時に町田まで出たついでに、TAHARAに立ち寄って、ニールセンの「不滅」かバルトークの「不思議なマンダリン」を探していたら、廉価のセットもののコーナーに ビルスマ70歳記念の限定盤11枚セットが何と3000円ちょっとで売っていたので、思わず購入してしまった。帰宅してHMVのサイトで調べると相当売れ行きのよかったものらしい。

このサイトを見て驚いたのだが、この製品には誤植が多いようだ。ビルスマの誕生記念というのに、ソニークラシカルは無粋なものだと呆れてしまった。いくら廉価盤とは言えこれはないだろう。HMVのサイトの情報では、ソニークラシカルとしては交換予定はないのだという。それに、録音データがまったく記載されていないのも不誠実ではなかろうか?安い値段を勝手につけたのは、ソニークラシカルの方だろう。安いので多少にミスは我慢しろというのは商売人の風上に置けない(と怒ってしまった)。ブリリアントなどは、CDのエラーなどがあると割と容易に交換に応じてくれるのだから、ソニーの傲慢さが目立つ。

(ソニーのサイトを見たらほとんどが国内盤で現役のようだ。)

ところで、肝心の録音の方だが、ビルスマの名録音が数多く楽しめる大変充実したものだ。バッハの無伴奏の旧録音やベートヴェンのチェロソナタ全集(ピアノフォルテはインマゼール)の新録音。DISC8のニールス・ガーデは、デンマーク生まれの音楽家で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の初演の指揮を行った人物。

ビルスマといえば、まだ女房と結婚する前1993年頃に、どういう伝手で呼んだのか、長野県の須坂市という田舎の小都市にピアノフォルテ奏者の渡辺順生(渡邊順生)氏と一緒にやってきて、ベートーヴェンの3番とボッケリーニのソナタ(コンチェルト)?の何番かを演奏してくれたことがあった。結婚前の女房と一緒に聴きに行った。(ホームページにも記載してある。)メセナホールという音楽ホールの小ホールで、まさに目の前で妙技を繰り広げてくれた。ボッケリーニの途中で暗譜が途切れて、楽章の最初から弾き直すというハプニングがあったりしたが、夢のような音楽経験だった。

CDでベートーヴェンの3番を聞いてみた。ロストロポーヴィチとリヒテル、フルニエとグルダというヴィルトゥオーゾの演奏で耳に馴染んだこの曲だが、インマゼールの達者な指さばきにも支えられ、ビルスマの素朴な音色のチェロが表情豊かに歌う。特にロストロ盤では、この曲は盛期ベートーヴェンの仰ぎ見るような傑作という印象が強いのだが、ビルスマたちの演奏を聞くと親密で心に語りかけてくる音楽になっている。

なお、ボッケリーニ、デュポール、ロムベルク(初耳)などの古典派の音楽家の曲をまとめて聞けるのと、シューベルト、メンデルスゾーン、ガーデ、シューマン、ブラームスなどロマン派の音楽をピリオド・アプローチで聴けるのも面白い。モーツァルトの奇跡のK.563ディヴェルティメントも楽しみだ。

以下は、HMVの紹介サイトの曲目一覧を引用させてもらったものにところどころ注釈をつけた。

ディスク 1 (ジャケットは新盤のものが用いられている!が、録音はバロックチェロによる旧盤)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009

ディスク 2 (ジャケットは新盤のものが用いられている!が、録音はバロックチェロによる旧盤)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012

ディスク 3 (インマーゼールのフォルテピアノとの共演による新録音)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調op.69
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番ヘ長調op.5-1
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番ト短調op.5-2

ディスク 4 (インマーゼールのフォルテピアノとの共演による新録音)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番ハ長調op.102-1
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調op.102-2
ベートーヴェン:「魔笛」の"Ein Maedchen oder Weibchen" 「娘っ子かご婦人が」(パパゲーノのアリア)の主題による12の変奏曲ヘ長調op.66

ディスク 5
ボッケリーニ:序曲(シンフォニア)ニ長調op.43
ボッケリーニ:チェロ協奏曲第3番ニ長調G.476
ボッケリーニ:八重奏曲(ノットゥルノ)ト長調op.38-4(九重奏版)
ボッケリーニ:チェロ協奏曲第11番ハ長調G.573
ボッケリーニ:シンフォニア ハ短調G.519

ディスク 6  (オーキスのピリオド・ピアノとの共演)
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調op.38
シューマン:民謡風の5つの小品op.102
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調op.99

ディスク 7
デュポール:2つのチェロとフォルテピアノのためのソナタ ニ長調
デュポール:2つのチェロのための9つの練習曲第11番イ短調
ベートーヴェン:「マカベウスのユダ」の"See here the conqu'ring hero comes"「見よ勝者は来た」の主題による12の変奏曲ト長調  (「勝利をたたえる歌」という題名で有名な旋律)
デュポール:2つのチェロのための11の練習曲第9番ニ短調
ロンベルク:チェロ・ソナタ第1番変ホ長調
ボッケリーニ:2つのチェロのためのソナタ変ホ長調
ベートーヴェン:「魔笛」の"Bei Maennern, welche Liebe fuehlen" 「愛を知る男性は」(パミーナとパパゲーノの二重唱)の主題による7つの変奏曲変ホ長調WoO46

ディスク 8
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲変ホ長調op.20
N.ガーデ:弦楽八重奏曲ヘ長調op.17

ディスク 9
モーツァルト:ディヴェルティメント(弦楽三重奏曲)変ホ長調 K.563
モーツァルト:アダージョとフーガ ヘ短調 K.404a-6
モーツァルト:アダージョとフーガ ニ短調 K.404a-1
モーツァルト:アダージョとフーガ ト短調 K.404a-2
モーツァルト:アダージョとフーガ ホ長調 K.404a-3

ディスク 10
シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 D.956
シューベルト:ヴァイオリンと弦楽のためのロンドイ長調 D.438

ディスク 11
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲イ短調 RV 418
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲ハ長調 RV.117
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲ヘ短調 RV.143
ヴィヴァルディ:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲変ロ長調 RV.547
ヴィヴァルディ:2台のヴァイオリンと2台のチェロのための協奏曲ト長調 RV.575
ヴィヴァルディ:4台のヴァイオリンのための協奏曲ニ長調 RV.549
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲ト長調 RV 413
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲ホ短調 RV.134
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲イ長調 RV.159

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コメント

ビルスマ演奏会の事もHPで拝見。小さな会場で室内楽となると、物理的な音響や近さだけでなくて、違うものが伝わりますね。それが芸術的なものである可能性は強いです。故事付ければ「影が出来る」近さです。もう一つは、プログラムや曲目を含めて当に「どういう伝手で呼んだのか」と云う、聴衆を含んだ必然性と云うか文化マネージメント的な意味合いですね。云わば影が出来ない環境。もちろんこの意味合いで演奏や解釈のディテールも重要になります。

しかしランデブーとして行くと、余程相手が詳しくないとプログラムの詳細は忘れてしまう。曖昧模糊とした印象しか残らない。そうなると演奏も曲も細かな事は何でも良くなる。私が演奏会などで一滴もアルコールを飲まないのも同じ理由です。

上のボックス、必要ない物もありますが何枚かは興味あるのでこちらのネットを調べましたが出ていないようです。

それから、一期一会の曖昧?とした記憶が、録音で再擬似体験する時に鮮明に蘇り、補ってくれるという事もありますね。結論の出ないお話で失礼しました。

投稿: pfaelzerwein | 2005年3月25日 (金) 06:20

コメントありがとうございました。

ランデブーというほど感情的に舞い上がったものではなかったので、10年以上経過しているのですが結構そのときのコンサートの内容については今でも話題に上ります。今回のCDによる再疑似体験は結構感動的でした。

検索したところ、日本のソニーのサイトでレギュラー盤の情報を見つけました。また渡邊順生氏のサイトで、ちょうどビルスマのベートーヴェンについて書かれたエッセイがあるのを見つけそれぞれリンクを張りました。

「影」や「オーラ」についてはまだよく分からないのですが、今後ともよろしくお願いします。

投稿: 望 岳人 | 2005年3月25日 (金) 10:24

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