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2005年10月13日 (木)

ショルティ/シカゴ響のブラームス 交響曲第1番

solti_br1

かつてベルリン・フィルやヴィーン・フィルをもしのぐと言われた世界最高のヴィルトゥオーゾオーケストラ、シカゴ・シンフォニー・オーケストラによるブラームスの1番。1979年1月シカゴのメディナ・テンプルでの録音。彼らによるブラームス全集はUSAのグラミー賞を受賞している。(しかし、ショルティの録音は、その逝去後、急速に忘れられているような気がする。)

特にサー・ジョージのファンではないので、彼の音盤はあまり聞いてこなかった。このような名曲で彼のCDを持っているのは、例によってブック・オフで廉価で入手できたから。これと前後して、ザンデルリンク/シュターツ・カペレ・ドレスデン、バーンスタイン/VPOのCDも購入できた。

例の「のだめ」関係で、千秋真一指揮R☆Sオーケストラによるブラ1が相当注目されているようで、それには批判的な意見を持っているのだが、それならいわゆる硬派で鳴るショルティとシカゴがどんな演奏をしていたかを再度聴いてみた次第。

先入観の通り、非常に明快なブラームスになっている。ブラームスは、言葉の発声で言えば、口ごもりの多い陰翳だらけのような作曲家だと思うが、そのような照れ性のニュアンスは意識的に避けられ、明るく輝かしい鳴りのよい音楽になっている。もちろん一本調子な単純な演奏ではなく、誠実で丁寧な仕上がりになってはいるが。ロマン派中の古典派ブラームスを再提示した演奏といえるかもしれない。

それは、ブラームスの演奏で慣用的に用いられる、アッチェレランドやラレタンドなどのテンポの変化をほとんど使わないで、ほぼ楽譜に忠実に、インテンポでガッチリと演奏していることによってもたらされるのだと思う。それにより第四楽章はラプソディックな勝利の音楽というよりも、円満な幸福な音楽に変化しているように聞こえる。それは反面、音楽的な興奮をもたらすことを避けていることにもつながり、むしろこれがブラームスの本音かも知れないという感をいだかせる。

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「伊達でございます!」blogから 千秋真一指揮R☆Sオーケストラのブラ1関連でTBをいただいた。訪問させてもらったら、ブラ1の聞き比べをされており、このショルティ盤へのコメントも書かれていた。まさにブラスセクションが活躍する明るい響きのブラームスだ。

「ブラームスの交響曲第1番、音盤あれこれ」http://blog.livedoor.jp/date1964/archives/50114253.html

この記事からTBさせてもらった。

p.s. 2006/10/8  クラシック音楽のひとりごと の同じ音源のCDからトラックバックをいただき、こちらからもTBさせてもらった。

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ディスク音楽01 オーケストラ 」カテゴリの記事

コメント

ショルティ/シカゴの演奏、好きなんです。知らぬ間に随分、ショルティのCD・レコードが増えてしまっています。
作曲家の書いた作品そのものを知るには、ショルティ/シカゴ最高の演奏だと思います。技術は最高ですし、DECCA録音は素晴らしいですし、なによりショルティの指揮が良い意味でアッケラカンとして、グチャグチャしていないのが好きです。
このブラームスの1番も、最高レベルのオーケストラ音楽になっていると思います。いいですねえ。

投稿: mozart1889 | 2005年10月14日 (金) 08:36

mozart1889さん、コメントありがとうございます。

私は、ショルティのあまりよい聞き手ではなかったのですが、皆さんのBLOGを初めとしたネット情報や、ここ数年ブックオフでの激安中古盤のお陰で、あまり縁のなかった著名な演奏家の録音も聴けるようになり、結構食わず嫌いだったことが分かったりして、楽しみが増えたように思っています。

このショルティの録音は鋭角的で硬直しているというイメージがありましたが、聞いてみるとそのようなマイナスイメージは取り払われ、明るく柔軟な表情が楽しめました。

投稿: 望 岳人 | 2005年10月14日 (金) 12:46

 
こんにちは。
当方の記事もご紹介いただき、ありがとうございます。
没後、急速に評価が低下している感のあるショルティですが、このブラームスの第1番は、ショルティの音盤で最も気に入っています。第4楽章最後の部分でのトロンボーンを始め、金管パートをこれほど明晰、かつ効果的に響かせている演奏を知りません。
今回買われたCDは(写真のCDは)、僕が持っているのと同じ、国内初出盤(と同じデザイン)のようです。
今後とも、よろしくどうぞ。

投稿: 伊達 | 2005年10月17日 (月) 19:58

伊達さん コメントありがとうございます。

このショルティ/シカゴのブラームス全集は本文でも書いたように「グラミー賞」受賞盤ということで知っていましたが、長年聞く機会がなかったものでした。昨今の音楽ソフトの値崩れや中古盤のおかげで乏しい小遣いでもこのような優れた演奏に触れられるのはうれしいものです。

今後ともよろしくお願いします。

投稿: 望 岳人 | 2005年10月18日 (火) 22:09

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ensembleさんに呼ばれての、「秋はブラームス」。 続編です。 ただ、今日の演奏は秋だけでなく、オールシーズン・タイプかもしれません。 ブラームスの交響曲第1番ハ短調作品68。 ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。 1978年1月、シカゴのメディナ・テンプルでの録音。 「ベートーヴェンの交響曲第10番」と呼ぶにふさわしい、実に輝かしい演奏。 ショルティらしく、筋骨隆々、強力な(時に強引な)統率力でグイグイオーケストラを引っ張り、強い意志と迫力を感じさせてくれる演奏... [続きを読む]

受信: 2006年10月 8日 (日) 04:09

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