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2006年2月 3日 (金)

インフルエンザとタミフル

【ご注意】

この記事は、医薬の素人の試行錯誤した経験や調査をつづったものであり、内容的に混乱しております。また2006年当時の古い情報です。インフルエンザの季節には、検索サイトからアクセスして読んでいただいている方もいらっしゃるようですが、その点ご注意いただけますようお願いします。

---以下原文-------

昨年12月までに家族全員で、防腐剤として?水銀が使われていないインフルエンザワクチンの予防接種を受けていたのだが、今週、次男が学校で流行しているインフルエンザA香港型をもらってきてしまった。

月曜日に発熱しかかりつけの家庭医に行ったが、普通の風邪という診断だったが、その晩少々発熱。翌日再度同じ家庭医に行き診断を受けたところインフルエンザとの診断で、金曜日まで登校取りやめとのこと。治療薬として「タミフル」(子ども用のタミフル・ドライシロップ)の処方を受けて帰ってきた。

妻がタミフルの副作用を気にして仕事場にメールをよこしたので、タミフルのことを調べてみると、先日新聞で報道された錯乱により青少年が2名事故死したことを始め、特に子どもに副作用らしい症状が相当出ていることを知り、妻にはタミフルを使用しない方がいいと伝え、服用させなかった。特に、事故死につながった事例では、初回の服用後、すぐに異常行動が起きてしまったというので、ためしに飲ませてみるということ自体が相当のリスクを伴うのだというのだ。

火曜日の夕方から晩にかけては、相当発熱して、悪夢を見たらしくうわごとを口走ったりして心配したが、子どもにも比較的安全だというアセトアミノフェンの座薬を入れてやったところ、比較的落ち着き、水曜日の朝には相当熱も下がってくれた。数年前、インフルエンザと急性脳炎の関係がマスコミで大きく取り上げられて、インフルエンザは怖いというイメージが強くなっていたが、それもアスピリン系の解熱剤を子どもに処方したことや、アセトアミノフェンよりも効果の強い解熱剤をやはり用いた副作用の可能性があるという。それらの処方が禁止された今では、世界的にもライ症候群というような事例は激減しているらしい。

ちょうど、昨日のNHKの「ためしてガッテン」は、インフルエンザを取り上げていた。特効薬タミフルも当然取り上げられていたし、異常行動のような副作用についても厚生労働省の安全宣言で否定していた。ただし、タミフル服用で熱が下がってもウィルスは消滅しておらず感染力は衰えていないので、熱が下がったからと言って安心してはいけないということは言っていた。

タミフルについては、日本がロシュ社世界生産の内なんと6割りないし8割りを消費しているという。タミフル備蓄などが新聞をにぎわしているが、タミフルの効果に疑問を呈している意見もある(「タミフルは決して特効薬ではありません。症状を少し抑えられることがある程度です。A香港型や昨シーズンのB型には効きませんでした(学会でもそういう報告が多数あります)。喘息を持った子供では逆に治りが遅くなる子が増えました(詳しくは『薬のチェックは命のチェック』No12改訂増補版参照)。」)が、一般的にはA型にも、B型にも効くとされているようだ。(2/13佐藤さんという方からコメントで指摘をいただいて調べ直してみた。ただし、効くと言ってもウィルスの増殖を抑制するだけで、ウィルスを絶滅させるわけではない。)新型が発生した場合聞くかどうかは判らないらしい。また、日本でのタミフルの乱用気味がもたらすものとして、タミフル耐性ウィルスがすでに出現しているという。タミフルは、合併症のある患者や老人などには使うべきだが、通常の抵抗力や体力のある患者にはむやみに処方すべきではないらしい。

それが、気軽に処方されるところに、日本の医療・薬事行政の欠点があるのだろう。

インフルエンザは怖い風邪ではあり、新型インフルエンザの恐怖はあるが、それに打ち勝つのはまずは免疫力だということを忘れずにいたいものだ。

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「タミフル関連」のリンク集

薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No62 よくある質問への緊急回答:タミフルの害と利益 そのバランスをどう考える? 副作用について強い懸念を表明している

タミフル副作用の投稿 非常に痛ましい報告。哀悼の意を表したい。

タミフルの副作用岡空小児科医院 穏やかな語り口

タミフルが不足したのはなぜか?

タミフル副作用報道雑感

お子さんのインフルエンザ治療(タミフル服用)

タミフルはインフルエンザを治さない ワクチン接種を薦める

話題のインフルエンザ治療薬「タミフル」とは? 普通の解説記事

タミフル服用後の死亡例について(厚生労働省の報道発表)

医薬品医療機器情報提供ページ  副作用情報など

◆解熱剤について(リンク切れだが、有用なのでgoogleキャッシュから転用)

解熱剤の使い方

 ●まず、熱が出る理由について(発熱のメカニズム)

 感染症は、ウィルスや細菌などの病原体が、ひとの体内に侵入しておこります。侵入した病原体を体の中から追い出すために、白血球やマクロファージ(大食細胞)などと呼ばれる、ひとの体の防衛=免疫を担当する細胞が病原体と戦います。これらの防衛(免疫担当)細胞は、戦いを有利にはこぶために、「内因性発熱物質」(サイトカイン、インターフェロン、腫瘍壊死因子など)という物質を放出します。この発熱物質は、体温を調節する中枢がある、脳の視床下部(ししようかぶ)近くの細胞を刺激して、プロスタグランディンEという物質を作らせ、まき散らかせます。このプロスタグランディンEが、体温調節中枢の体温設定を上げるため、ひとは発熱するのです。熱が出ると、病原体を食い殺す白血球やマクロファージの働き、病原体を破壊するミサイルである抗体の働きが、何倍にも強くなることが分かっています。また、病原体であるウイルスは、高温(38℃~40℃)環境だと増えることができないといわれています。このように熱が出るということは、病気を早く治すため、体にそなわっている防衛反応なのです。病気が快方に向かえば、熱は自然に下がってくるのです。

 ●解熱剤の働き(薬理作用)

 解熱剤は、発熱を引き起こす物質プロスタグランディンE(上記)を、細胞が作ることを抑えます。そのため、プロスタグランディンが作られなくなり、体温調節中枢の体温設定が下げられるため、熱は下がってきます。 

 ●解熱剤の副作用について

 長期にわたり、頻回に解熱剤を使用した場合、病気を治そうとする自然治癒力を弱める可能性が指摘されています。また、解熱剤を乱用すると、体温が上下することにより、体力の消耗を早める可能性もあります。解熱剤の種類(ボルタレン、ポンタール)によっては、まれに低体温やショックをおこすことがあります。

 ●解熱剤の種類

アセトアミノフェン(カロナ-ル、アンヒバ、ナパ、ピリナジン)は安全性が高く、世界中で広く使用されています。日本小児科学会も2000年12月に、インフルエンザの発熱に対しては、アセトアミノフェンが適当だという、理事会見解を発表しました。他の感染症でも安心して使用できます。当院でも10歳以下の小児の発熱には原則として、アセトアミノフェンのみを処方しています。

ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)はインフルエンザ脳炎・脳症では、死亡率が有意に高いことがわかり、インフルエンザ脳炎・脳症患者には使用禁止になりました。また、小児のウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)でも、原則的には使用してはいけないことになりました(医薬品安全対策部会)。

メフェナム酸(ポンタール)も、インフルエンザ脳炎・脳症では死亡率が有意に高い、という報告もあり(因果関係は未確定)、医薬品安全対策部会は、インフルエンザの発熱にはポンタールは基本的に用いないほうが良い、という見解で合意しました。ポンタールは抗炎症作用も強く、まれに低体温でショックを起こす可能性もあります。

アスピリン(小児用バッファリン=後述、ミニマックス、EAC)は、インフルエンザや水痘で使用した場合、ライ症候群(急性脳症)を引き起こす可能性があり、子どもには使用できません。「小児用バッファリン」という商品名の薬剤は、薬局で買う薬はアセトアミノフェンが主成分ですが、病院で出される薬はアスピリンが含まれていました。これは非常に紛らわしいため、2000年11月、病院用の「小児用バッファリン」(内容はアスピリン)は「バッファリン81mg」という名前に変わり、小児の解熱剤としては使用できなくなりました。

イブプロフェン(ブルフェン、ユニプロン)は、プロピオン酸系の非ステロイド系消炎剤ですが、アメリカではアセトアミノフェンとともに解熱剤として広く用いられています(アメリカではイブプロフェンとアセトアミノフェンしか、解熱剤として使われていない)。インフルエンザ脳炎・脳症は、欧米ではほとんどみられないため、この薬はインフルエンザ脳炎・脳症、ライ症候群を誘発しないと考えられています。また、この薬はアセトアミノフェンより解熱効果が強いため、当院では小学校の高学年以上に錠剤で処方しています。

 ●解熱剤はどんな時に使うか

 熱が高くても、お子さまが元気で,水分もとれ食欲もあり、よく眠り機嫌も悪くなかったら、解熱剤を使う必要はありません。38.5℃以上の高熱の時、元気がない、けいれんをおこしそうだ、不機嫌で食事をとらない、嘔吐しぐったりしているという症状が加わると、そのままでは全身状態が悪化し、場合によっては入院加療が必要になるかもしれません。ある程度熱が下げれば、お子さまは楽になり、ゆっくり休め、食欲が多少出てくることが期待されます。このような時に、脱水を予防し、体力(自然治癒力)を保つために使用されるものが解熱剤です。 

 解熱剤は38.5℃以上で症状が強いとき、頓服で使いましょう。1日3回、他の薬と一緒に定期に飲ませる必要は全くありません。このような使用法は、かえって病気を長引かせると考えられています(副作用の項を参照して下さい)。1回使用したら、最低6時間は間隔をあけます。高熱が続くようなら、もう一度、使用しても良いでしょう。ただし使用は1日に2回までとします。

 ●坐薬と飲み薬(粉薬、錠剤)の選択について

 赤ちゃんには坐薬,もう少し大きい子は粉薬が良いと思います。同じアセトアミノフェンという薬なので、効き目は同じです(坐薬のほうが吸収は速い)。坐薬をいやがったり下痢をしている場合は粉薬が良いし、吐いていたり大きな子でも薬を飲めない子の場合は坐薬で良いでしょう。要は確実に服用できることが大切だと思います。小学校高学年以上のお子さまには、効きの良い錠剤の解熱剤(ブルフェン)をお出しすることもあります。

 ●解熱剤を使っても熱が下がらない場合

 急激に発熱している状態の時は、アセトアミノフェンはほとんど効かない場合もあります(もともと解熱作用は弱い)。このような時は、解熱剤を何回も使うのではなく、薄着にして風通しを良くし、水分をまめに与え、脇の下やソケイ部をアイスノンや氷嚢(氷水を入れたビニール袋をタオルで包む)などで冷えすぎない程度に冷やして、様子をみましょう(「発熱について」を参照して下さい)。解熱剤は6時間以上間隔をあければ、もう1回使用しても良いでしょう。

 また、熱性けいれんのあるお子さまは、けいれん止めの坐薬(ダイアップ坐剤)の使用を優先して下さい(アンヒバ坐剤=解熱剤は、ダイアップ坐剤を挿入して30分以上あけてから、使用して下さい)。解熱剤の使用のみでは、熱性けいれんは予防できないと言われています。

ワハハ・誰でもわかる解剖生理学  解熱剤関連 
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相互リンクさせてもらっている Wein, Weib und Gesang さんの 2005年12月の記事を拝見し、リンク集をまとめてみた。

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コメント

今日は、始めてトラックバックさせていただきました。風邪に限らずどんな病気にも打ち勝つには免疫力を高めるのが一番です。これからも時々訪問させていただきます。

投稿: yuukokurati | 2006年2月 3日 (金) 16:06

yuukokuratiさん、コメント、トラックバックありがとうございます。

人間に対して意は抗生物質の使いすぎは以前から懸念されており、また農作物への大量農薬散布も、高人口密度の日本の特徴でもありますね。

自然の治癒力というものをもっと活性化できるようにするために何をすればいいのか、デトックスもそのひとつの方法かとは思いますが、これも薬頼みでもあります。思案しております。

投稿: 望 岳人 | 2006年2月 4日 (土) 11:07

タミフルはAB両方にききますよ?
Aのみはアマンタジンでは?

投稿: 佐藤 | 2006年2月13日 (月) 15:22

コメントありがとうございました。専門家の方でしょうか?素人の悪戦苦闘にお付き合いいただきありがとうございます。

調べ直したところ、一般的にはAB両方に効くとされているようですが、両方に効かないという意見もあるようで、両論併記にしてみました。

効くと言っても発熱などの症状が抑えられるだけで、ウィルスそのものを全滅できるということではないようです。むしろ抑制できてもウィルスはまだ減らないため、感染を広げるという問題もあるとも聞いております。また、熱が下がっても登校・出社を控えるようにとの指示があまり医師から出てはいないようで、タミフルのメリット・デメリットの判断は非常に困難なように思います。

投稿: 望 岳人 | 2006年2月13日 (月) 16:09

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