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2006年3月 6日 (月)

アバド指揮ヴィーンフィルによるブラームスのハンガリー舞曲集 全21曲

brahms_hungarian_danceアバド指揮ヴィーンフィルによるブラームスのハンガリー舞曲集 全21曲 1982年録音

ブラームスのハンガリー舞曲、ハンガリアン・ダンスといえば、よく人口に膾炙している音楽だが、意外にオーケストラ版の全曲録音は多くない。有名な数曲が、交響曲や協奏曲などの穴埋め(フィルアップ)用に録音されるケースが多いようだ。そんななかで、これはアバドがヴィーンフィルを指揮して全21曲を録音したもので、スイトナーやマズアの全曲盤とならんで資料的価値もあるだろう。

演奏の特徴は、ハンガリー(ジプシー、ロマ)音楽、ブラームスというイメージとは少々離れ、軽快である。思い切ってテンポを動かし詠嘆調、絶叫調になる演奏が多い中、アバドの指揮、解釈とヴィーンフィルの演奏は洗練されている。

この曲集はもともとピアノ連弾用に作曲され、かつてブラームス自身の蝋管録音が再現されたテレビ番組を見たことがあったほどブラームスのヒット曲的な代表作のひとつでもある。ブラームスと楽譜出版社はこの曲集のヒットで相当利益を得たという。ハンガリーの音楽という題名がつけられているが、実際は漂泊の民ジプシーの音楽を元にしたものだといい、原曲の作曲者から著作権的な訴訟をおこされたこともあったようだ。

東欧・中欧、南欧に定着したジプシーの音楽は、リストの「ハンガリーラプソディー」、サラサーテの「ツィゴイネル・ヴァイゼン」(まさに「ジプシーの旋律」という意味)聴かれるように、激しいテンポとダイナミズムが特徴だが、その意味でアバドのこの「ハンガリアン・ダンス」の解釈は、上品過ぎるのかも知れない。シノーポリがVPOとのリストのハンガリーラプソディー第2番の演奏で見せたような強烈な味付けの方が自分の好みかもしれない。


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コメント

TB有り難うございました。
アバド/VPO盤の軽快さ、艶やかさ、しなやかさ、エエですね。よく取り出しています。マズア/ゲヴァントハウス盤もなかなかイイんですが、アバドの方が爽快で気持ちよく聴けています。

投稿: mozart1889 | 2006年3月 7日 (火) 13:06

ラベック姉妹は、FM放送をよく聞いていた時代には、美人姉妹の連弾ということで、相当人気を博していましたね。ブラームスのハンガリー舞曲もエアチェックした記憶があります。

アバドの録音、昨夜この記事をアップした後、聴きなおしたのですが、やはり爽快、軽快ですね。もう少し重厚で粘りのあるのが今の好みなのですが、楽しく聴きました。

投稿: 望 岳人 | 2006年3月 7日 (火) 21:27

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» ブラームスのハンガリー舞曲集(ピアノ連弾) ラベック姉妹の演奏で [クラシック音楽のひとりごと]
ここ数日、伊予路では暖かい日が続いております。 デスクワーク中の、特に日中はほのぼのとして、ウトウトしてしまいそうなくらい(^^ゞ。 少しずつ、春の足音が聞こえております・・・・・・。 さて、今日はブラームス作曲(編曲)のハンガリー舞曲を。 ふだんはオーケストラ版で聴くのが好きなのだが、今日はピアノ連弾版、ラベック姉妹の演奏で聴いた。 1981年、パリの録音。ラベック姉妹が、確かラプソディ・イン・ブルーでデビューして間もなくのものだったと思う。当時、フィリップスが盛んに広告を出していたことを覚え... [続きを読む]

受信: 2006年3月 7日 (火) 13:04

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