ツィメルマンのシューベルト即興曲集
ポーランド出身でショパンコンクール優勝のクリスティアン・ツィメルマンのシューベルトの録音。作品90(D.899)と作品142(D.935)の二つの即興曲集。1990年録音で、発売された1991年に購入した。
ツィメルマンを実演で聴いたのは、1993年だったと思うが、ちょうどその生演奏のすばらしさ。特に音の多彩さと透明感のある響きに感動した頃のメモだと思うが、CDにはさんであったのを書き写しておく。
1993年7月12日(月)の鑑賞メモ。(①は第1番をあらわす。)
D.899①ブレンデルの録音を以前聴いていたが、それに比べてずっと劇的な表現。ベートーヴェン的である。うっとりするメロディーの歌わせ方ではない。クールだ。
②レガートだが、一音一音がくっきりして、ふるえるほど美しい。音がキラキラ輝いている。ワンテイクで録っているのか、ライヴの乗りがある。
③あまり精彩のない演奏。音が冴えないせいか?いや、意識的に丸い音を作っているのだ。
④弟がよく練習していた曲。ツィメルマンの演奏は伸びやかさが不足している。伸びやかさと緊張感。シューベルトには前者の方が似合っている。
D.935は、調構成からもテンポ、形式構成からもピアノソナタ的な作品。①フラット4つの短調。②フラット4つの長調。③フラット2つの長調。④フラット4つの短調。
①構成的な曲。②アレグレットだがのんびりした気分。③有名なロザムンデのバリエーション。④流れるような音階のパッセージ。時々唸り声も聞こえる。劇的。
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コメント
こんにちは。この曲集はリリー・クラウスの盤(LP)を持っています。
ツィマーマンについては最初1978年録音のショパン「ワルツ集」を聴きました。その時は魅力を感じなかったのですが、1999年録音のショパンの協奏曲(ピアノ&指揮)は凄く想い入れの強い演奏で驚きました(かなり話題になったそうですね)。著しい変化、と言うことなのか?
投稿: 丘 | 2006年3月 3日 (金) 14:23
こんにちは。
シューベルトの即興曲集、いいですね。
いろいろ聴いてきたんですが、このツィメルマンの演奏は未聴なんです。聴いてみなくちゃいけませんね。
ブレンデル、エッシェンバッハ、ルプー、内田光子などが気に入っています。
ツィメルマンの演奏、協奏曲にいいものが沢山ありますね。ショパンやベートーヴェン、ブラームス、ラフマニノフなど、名演が多いですよね。
気になるピアニストの1人です。
投稿: mozart1889 | 2006年3月 3日 (金) 16:43
丘さん こんばんは。
ツィメルマン弾き振りのショパンの協奏曲のオーケストラの部分は最初に聴いたときはすごいと思ったのですが、何度も聴きたいとは思わせないのが残念です。ツィメルマンのピアノはそれとは対照的に端正に聞こえるのですが。ソロではリストのピアノソナタも素晴らしいです。LP時代にはモーツァルトのソナタ集もあり、FMで聴いたことがあるのですが、現在はカタログにないようです。
投稿: 望 岳人 | 2006年3月 3日 (金) 22:47
mozart1889さん こんばんは。
シューベルトの即興曲集ではルプーやエッシェンバッハは興味があります。ツィメルマンのほかでは先に記事にしたケンプと、「シューベルティアーデ」に入っているエドウィン・フィッシャーのものをCDで持っています。どちらもいい演奏ですよ。
ツィメルマンは、ブーレーズ/CSOとのバルトークの1番、小澤征爾/BSOとのラフマニノフの1,2番や、先日のラトル/BPOとのブラームスの1番など本当にコンチェルトに熱心ですね。もっとソロも聞きたいと思うのですが。
投稿: 望 岳人 | 2006年3月 3日 (金) 22:55