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2006年4月10日 (月)

ブラームス ピアノソナタ第1番 レーゼル(P)

Brahms_piano_sonata12◎ブラームス
ピアノソナタ第1番 ハ長調 作品1
同第2番 嬰へ短調 作品2
スケルツォ 変ホ短調 作品4
ペーター・レーゼル(P)
録音 1972年、1973年 ドレスデン・ルカ教会

今年の春はどうも風が暖かくならず寒風にさらされることが多い。少々体調を崩し気味だ。

海老沢敏「巨匠の肖像」(ヴァーグナーからガーシュウィンへ)(中公文庫)を読む。これは、中央公論社刊で、一時期よく書店でみかけたCDブック 「CD世界の名曲」全24巻(1990-1992)の解説として書かれたものを加筆再構成したものだという。(二分冊的で、上にあたるものは、バッハからショパンへ)

取り上げられている大作曲家の紹介は、クロノロジカルな伝記的なものではなく、モーツァルト学者の筆になるだけあり、たとえばブラームス(P.34-54)の項にもブラームス自身がモーツァルトの旧全集版全体の編集者で、就中「レクイエム」の校訂者であり、ト短調交響曲K.550の自筆譜の所有者だったというような思わず「ヘーッ」が出るようなエピソードがちりばめてありなかなか面白い。そのブラームスの項を読み、彼が初めてシューマン家を訪問し、「新しい道」で紹介されるきっかけとなったピアノソナタ第1番を聴きたくなった。確か、以前レーゼルのピアノ作品集を買ったときに収録されていたはずだと思い出し、探してみたところ、あった。

第1楽章 アレグロ(7:53)

第2楽章 アンダンテ(5:12)

第3楽章 スケルツォ(アレグロ・モルト・エ・コン・フオーコ)(4:41)

第4楽章 終曲(アレグロ・コン・フオーコ)(6:53)

この曲はこのCDを入手したときに、一度は聴いたはずだったが、まったく覚えていなかった。が、改めて聴いてみると、重厚な和声ときっちりした形式、スケルツォやフィナーレがcon fuocoという発想表示となっているごとく、火の出るような情熱的なロマンティックな憧れや甘美さ、そして、若き天才の初々しさなどが溢れたさわやかな佳曲だと思う。「処女作にはその創作家のその後に現れる萌芽がすべて含まれる」という評言があるが、この曲の場合にもそれが含まれるようだ。若者のリサイタルなどで、作曲家が老成した後の傑作(たとえばベートーヴェンの後期のソナタなど)を弾くケースが多いが、このような若々しい曲を聴いて見たいものだと思う。

レーゼルは、このドイツ・シャルプラッテン盤で、ブラームスのピアノ独奏曲集を完成させているだけあり、まったく間然とするところがない演奏を聞かせてくれる。1970年代初期の録音だが、ピアノの音色も美しい。

p.s. 2007/7/18  この録音が含まれたレーゼルの独奏録音の廉価盤ボックスが発売されたという記事が「クラシック音楽のひとりごと」にエントリーされていたので、トラックバックを送らせてもらった。このブラームスの独奏曲集も全5巻のうち、第4,5巻が未入手だったので、是非そのボックスを入手したいものだ。

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コメント

「若者のリサイタルなどで、作曲家が老成した後の傑作(たとえばベートーヴェンの後期のソナタなど)を弾くケースが多いが、このような若々しい曲を聴いて見たいものだと思う。」-

同感です。若い演奏家が好んで作曲家に拘らず「晩年の曲」を取り上げようとする時、眉に唾です。お勉強には、あまりつき合わされたくないものです。

投稿: pfaelzerwein | 2006年4月11日 (火) 02:59

pfaelzerweinさん、ご同意くださりありがとうございます。

若者が高峰に挑むのはかまわないとは思うのですが、人前で披露するのはきちんと熟成してからが望ましいですね。

投稿: 望 岳人 | 2006年4月11日 (火) 20:08

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