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2006年7月14日 (金)

映画「トラトラトラ」

現在、長男は小学校で「ガラスのウサギ」や「後ろの正面だあれ」など、先の大戦での戦災を扱った小説などを読んでいるようで、ときおり学校図書館から借りてきて、話題にしている。小学校での平和学習は、戦争中子どもたちがどのように苦労をしたか、という観点が多いようで、どのような原因で戦争が起きたかとか、戦争がどのように行われたかについてはあまり情報がないようだ。

先日、旧日本海軍の軍艦「長門」と「朝霜」のプラモデルを組み立てた際、子供たちと話していて、映画「トラトラトラ」を見せれば軍隊や戦争について参考になるのではないかと思いつき貸しビデオ屋から借りてきて鑑賞した。

この映画は、少年の頃公開されたもので、戦中に少年時代をすごした父親が私と弟を連れて、田舎の映画館でのロードショーに連れて行ってくれたものだった。

さて、家族で見直してみるとほとんど細部については覚えていないことに気がついた。またもっと戦闘場面の時間が長かったと記憶していたが、日米開戦直前の外交折衝、暗号解読、日米両軍の戦争準備、だまし討ちの汚名を着る原因となった「宣戦布告」文書の作成の稚拙な遅れなどが結構丹念に描かれていた。

この映画は一応日米合作だが、配給はアメリカ側の映画会社が行っている。(企画当初は、黒沢明が監督に指名されたこともあったというが、すったもんだの末黒沢はその役割から降りてしまった。この辺の経緯は、コミック「黒沢明」に詳しい。)その割には、米政府、米軍側の準備不足と警戒心の欠如を批判的に描き、日本による意図的な「だまし討ち」説に酌みせず、淡々と描いているように思う。

日本軍は、「奇襲」成功後の第二次攻撃を諦めたのだが、その理由として南雲中将が語った「大切な連合艦隊、乏しい貴重な燃料」というのが、その後の戦争の行方を示唆していた。また、山本司令長官による「米太平洋艦隊に完膚なき打撃を与え士気をそぎ、和平交渉に持ち込む」という軍略は、結果的なだまし討ちと米空母艦隊にまったく損害を与え得なかったことで、水泡に帰した。「緒戦の勝利こそ得たが、米国民を怒らせてしまった」と米軍の反攻を示唆しながら唐突に映画は終わった。

この映画をみながら、ちょうどあの頃の日本は、その前史こそ異なるものの現在の北朝鮮に比べられるほどの国際的な四面楚歌により孤立し追い詰められていて、ついに暴発したので、北朝鮮を追い詰めすぎるのはいかにその体制に問題があるとしてもまずいのではと思った。

零戦に代表される戦闘機の発艦、着艦の場面、旗艦戦艦長門、真珠湾攻撃の場面など「映像的には」楽しめるものだった。ただ、真珠湾の軍艦、軍施設や軍人たちが攻撃に遭う場面は非常に破壊的で悲惨で、子どもたちも爆弾が投下され爆発する場面では思わず「ヒエーッ」と声を上げるほどだった。

しかし、よくまあこのような映画が日米合作で作られたものだ。

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