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2006年11月16日 (木)

ヴァーグナー 『マイスタージンガー前奏曲』 指揮:レーグナー

Roegner_wagner_siegfried_idyll ヴァーグナー

ジークフリートの牧歌 (22:22)〔1978年録音〕

『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲(10:27)
『ラインの黄金』前奏曲(7:35)
『トリスタンとイゾルデ』第1幕への前奏曲(11:46)
〔以上1977年録音〕

ハインツ・レーグナー指揮 ベルリン放送管弦楽団〔ベルリン・キリスト教会での録音〕

東ドイツ時代の東ベルリンのベルリン放送管弦楽団を、来日して日本の楽団を指揮したことのあるレーグナーが指揮したヴァーグナーのオーケストラ名曲集。

音楽評論家の宇野功芳氏が名曲案内などで絶賛していたもので、その絶賛が脳裏に残っており、ドイツ・シャルプラッテンが創立20周年記念盤で1000円で再発したときに求めた。

以前田舎に住んでいたときには、このような比較的親しみやすいオーケストラ曲集のカセットテープを作り、ドライブのときによく聴いたものだった。自分としてはグールドのピアノの平均律をかけたかったのだが、子どもたちにはあまり好評ではなく、彼らが愛好していたり、これなら親しみやすいだろうと私が思う曲でオムニバスを作ったら、結構好評を博した。今でもときおりかけるのだが、最近はスムースな長時間ドライブの機会がめったにないのでドライブ中の音楽鑑賞もめっきり減ってしまった。

このCDの収録曲では、特に宇野氏が絶賛していたのが『ジークフリートの牧歌』だった。小編成の曲のはずが、とうとうと流れるような河のごとき音楽になっている。勿論繊細さは残ってはいるが。しかし、この中で子どもたちが気に入ったのは、『マイスタージンガー前奏曲』だった。ディズニーのファンタジアがきっかけの『春の祭典』と並んで、愛好曲のベスト2というところだろうか。

先日も、ベームやトスカニーニの同曲のCDを聴いたのだが、そのリファレンスがどうしてもこのレーグナー盤になってしまい、物心付かないうちから聞いている長男などは、ベームでは「ここが違う、あそこが違う」、トスカニーニでは「最後のところが編曲しているんじゃないの?(確かにトスカニーニは相当打楽器を強調している)」と面白がって聞いていたほど。逆にベームの録音と比べてこのレーグナーの録音がいかに残響タップリなのかもよく分かった。

宇野氏も、後日談で、レーグナーが来日したときの実演を聞いて、この録音のスケール(フルトヴェングラーに比すべきとの評だった)がまったく聴かれないのに驚いたことを、またどこかで読んだことがある。

吉田秀和氏も、以前から「録音を聞いただけでは、その音楽家を評価するのは難しい」ということをよく書かれていたと思うが、そういう意味で、私などは録音や放送が99%で、実演などは1%あるかないかなので、非常に苦しい立場にあることになってしまう。

ドライな録音と残響の多い録音は、演奏者の好みもあるのだろうが、一般的には残響の多い録音の方が耳には快い傾向があるので、もしこの録音にたっぷりした残響が録音されていなければ、どのような音楽に聞こえるのだろうと想像が膨らんでしまったりもする。

P.S. 鑑賞メモ:1993年7月12日(月)宇野功芳氏がベタほめのこの演奏。「ジークフリート」牧歌は室内楽にしては、録音が大げさすぎる。吉田秀和氏の『私の好きな曲』でのニーベルングの指環のモチーフとこの曲の関係の分析は面白いが、この曲自体はそれほど優れた曲なのだろうか?(当時メモ帳に書いてCDケースにはさんでおいたのがときおり見つかる。)

今聞きなおすと、優れた曲かどうかは分からないが、この『ジークフリートの牧歌』はいい曲だと思う。

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ディスク音楽01 オーケストラ 」カテゴリの記事

コメント

望さん、おはようございます。
このレーグナー盤、LPで聴いています。残響豊かな録音で、非常に聴きやすく、スケールも非常に大きく聞こえます。「ジークフリート牧歌」と「マイスタージンガー」が特に名演と思います。
レーグナーではDENONのシューベルト「グレート」も序奏部がスケール雄大で大好きです。
この2枚で僕の中には雄大なレーグナーのイメージが出来たのですが、ベルリン放送響を振ったブルックナーの交響曲集を聴くと、セカセカと演奏してゆくので面食らいました。

投稿: mozart1889 | 2006年11月17日 (金) 04:50

mozart1889さん いつもコメントありがとうございます。

『マイスタージンガー』前奏曲は、本当にスケールの大きい音楽になっていますね。『ジークフリート』牧歌のもようやく最近楽しめるようになってきました。

ブルックナーがセカセカというのもちょっと困りますね。録音の結果に関心の強い音楽家とそうでない音楽家がいますが、残響などは演奏そのものの受け取り方に相当影響を与えるので、演奏家はもっと意識してほしいものだな、と思ったりします。

投稿: 望 岳人 | 2006年11月17日 (金) 20:10

望さん、こんにちは。
TBを有り難うございました。
レーグナーのワーグナーはゆったりとしたテンポで、実にイイです。
残響の多い録音も雰囲気豊かで、聴きやすいです。

投稿: mozart1889 | 2007年8月26日 (日) 16:19

mozart1889さん、こちらにもコメントありがとうございました。

投稿: 望 岳人 | 2007年8月26日 (日) 16:54

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今日は、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」。 ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送管弦楽団の演奏。 1978年10月、東ベルリンのキリスト教会での録音。独シャルプラッテン原盤。 これは、徳間音工から出ていた1000円廉価盤LP。 教会録音らしく、残響豊かで、音が消えゆくときの余韻がとても美しい。 全体的に音がよく融け合って、大変クリーミーな音がする。まろやかで、非常に柔らかい。この名録音が、ワーグナーのこの幸福な曲をひときわ美しく仕上げている感じ。 1869年、ワーグナーが5... [続きを読む]

受信: 2007年8月26日 (日) 16:16

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