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2007年5月31日 (木)

ブレンデル 『エロイカ変奏曲』『エリーゼのために』

Eroicavariation_brendel シューベルトにも『ロザムンデ』間奏曲の主題をテーマにした変奏曲がいくつかあるが、ベートーヴェンにも交響曲第3番『英雄』の第4楽章の変奏曲の主題をテーマにした曲が、このピアノソロによる『エロイカ変奏曲』作品35と、バレエ音楽『プロメテウスの創造物』のフィナーレとコントルダンスでも用いてる。恐らくお気に入りのメロディーだったのだろう。

このことは、以前からベートーヴェン関係の解説には大体書かれてはいたが、この独奏ピアノによる『15の変奏曲とフーガ』変ホ長調(エロイカと同じ調性)をまともに聞けたのは、このCDを入手してからだ。

昨年末来入手したディスクとドライブ音楽 のリストにあるように、この頃は何枚かブレンデルのCDが目に付き購入したが、これまでブレンデルのベートヴェンをあまり聞いたことがなかったので、気軽に手にとって聴き始めたところ、ブレンデルらしく正攻法のまことに立派な演奏を聞くことができた。曲は、『エロイカ』のフィナーレのような序奏はないが、バスによる途切れ途切れのテーマ(変奏)から始まり、何変奏目かでようやくメロディーが登場するという流れはこの曲がエロイカのプロトタイプだということが容易に想像された。しかし、15変奏とその後にテーマによるフーガ変奏(これもエロイカの展開部を思わせる)も付くという長大なもので、時間的規模では、このヴァリエーションの方がエロイカを凌駕する。

変奏曲の規模としては、例のディアベリに次ぐ規模だというが、ひなびた『エロイカ』主題の再現が曲の最後に出てくると、また聴きたくなる魅力のある曲だと思う。

この雄大な変奏曲のほかに小品がいくつか。バガテル『エリーゼのために』は私が弾ける数少ないピアノ曲だが、プロのピアニストが弾くとなんと易しい(優しい)曲なのだろうと思う。(実演でこの曲を聴いたのは、ピアノのお稽古発表会以外では、あの須坂でのデムスのアンコールくらいだっただろうと思う。デムスは、本当にこの愛らしい曲を愛しんで弾いてくれた。) 我が家のLP,CDでも何種類か聴く事ができるが、古くから親しんだケンプの演奏を別格とすれば、このブレンデルも悪くない。グルダとアシュケナージは私の好みから言うともう一つだ。

このほかに、作品126という晩年の『6つのバガテル』、そしてグルダの『アンコール』にも収録されていて耳に親しい『6つのエコセーズ』作品番号なしの(WoO)83。

ブレンデルの演奏は、もっさりしているところもあるが、音色が自分に合っているのと、いわゆる見栄っ張り(虚仮おどし、虚栄)的な要素が少ないのでやはりしっくり来る。

このほかにも、シューマン『子どもの情景』『クライスレリアーナ』やハイドンのソナタを入手できたので、また別稿で感想を書いてみたい。

p.s. それにしても今日の午後の激しい雨と雷には参った。帰宅時の電車が信号機に落ちた雷の影響で駅間で停車して鮨詰めの車内にしばらく閉じ込められるなど、結構生活にも影響があった。ヨーロッパでは、5月の嵐、メイストームで大きい被害が出たりするらしいが、日本の5月は比較的平穏だったはずだが、今回の大雨と落雷は、寒気が北西から侵入してきたためらしい。5月の大雨と落雷というのはあまり記憶にない。

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