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2007年7月 3日 (火)

7/1 ETV特集で吉田秀和氏が取り上げられた

7/1 22:00-23:30 NHK教育テレビで、 <<ETV特集「言葉で奏でる音楽」 吉田秀和の軌跡▽93歳今なお現役音楽評論の巨星▽カラヤン・グールド・ホロビッツ…名演奏の数々を書きつづって60年・20世紀音楽史の生き証人が自らの生涯を語る▽小澤征爾・中村紘子・石田衣良・堀江敏幸・・・>> という内容の番組が放送された。

私が敬愛する吉田秀和氏は、93歳の今も頭脳も明晰で立ち居振る舞いも矍鑠としており、現在もNHKFMの土曜日夜9時の『名曲のたのしみ』の放送を毎週続けているのだという。ここ10年以上FM放送からは離れてしまったので知らなかったが、奥様が逝去された後も、原稿用紙には向かえなかったが、毎週一回の放送は続けられていたというのだ。1970年代後半から1980年代前半の私の高校、大学時代は、確か日曜日の朝が放送時間でちょうどモーツァルトの放送時期だった。毎週熱心に聴いたものだ。特に大学に入ってからは、モーツァルトの後期の曲を何度もエアチェックさせてもらった。セルとクリーヴランド管による交響曲第39番などはモノのラジカセでのFMのエアチェックだったが、何度も聴いたものだった。

さて、今回の番組では、知られざる吉田秀和氏の日常が非常に興味深かった。毎朝6時起床。奥様が逝去された後も、これまで30年以上続けてきたメニュー ゆで卵(ご自分で茹でて、「卵がびっくりする」ようにびっくり水を掛ける)、紅茶とドイツパンの食事を用意し、静かに朝食を取られている。

オーディオには凝らないというが、鎌倉の昭和時代的な木造の日本家屋のご自宅で、30インチ程の薄型モニターディスプレーをトール型のスピーカーの中心に据えて、ゆったりとイスに座り、楽譜でときどき確認してメモをとりながら、音楽を聴かれている。

番組では、ちょうどチェリビダッケのチャイコフスキーの第5番を聴かれていた。「テンポが遅い点に特徴のあるチェリビダッケが、遅いゆえにこれまでにない新たな魅力を引き出しているか。それとも単に緊張感のない演奏に終わっているか。」などというポイントを考えながら聞いていると語る。

再現映像を交えた93歳までの生涯や奥様のことや、近くに住む長女の方と一緒に鎌倉の商店街に買い物に行かれる日常も紹介されていた。毎日、ソーセージやハムを含む肉類を食べているとのこと、水戸芸術館の館長として今もあの遠い水戸まで足を運び、水戸室内管弦楽団の定演にアドバイスをし、本番でもスタンディングオベーションをするほど元気さを保たれている。超人的な活躍ぶりがこれからも続いて欲しいと願わずにはいられない。

ブログを検索すると多くの方がこの番組について書かれていた。それらを読んで自分でも思い出したのだが、吉田秀和氏が自分が今でも原稿用紙をこつこつと埋め、譜例も自分で五線紙に書いたものを原稿用紙に貼り付けることが生きがいだと語り、実際にその映像を見て感心したのを思い出した。吉田氏は、そのことについて、「詩人のヴェルレーヌがドガと知り合い、ドガが実に丹念に絵筆を走らせていることに半ばあきれて、『なぜそのように熱心に書くのですか』と聞いたところ、ドガが『木を書くにしても、葉を一枚一枚丹念に描くことが楽しいのだ』と答えた」というエピソードを紹介してくれていた。

*吉田秀和氏関係の自己記事リンク

  吉田秀和氏(93)に文化勲章(2006/10/27)

  吉田秀和氏 復帰 「レコード芸術」で (2006/4/5)

 私の座右の書 吉田秀和「世界の指揮者」など(2005/10/18)

 世界の指揮者 世界のピアニストなど(2005/2/8)

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