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2007年9月 5日 (水)

隆慶一郎の小説を再読した

『捨て童子・松平忠輝』、『一夢庵風流記』、『影武者徳川家康』、『吉原御免状』『かくれさと苦界行』。

初めて読んだときには、その新鮮な設定に驚き、非常に楽しめたのだが、再読したところ、作者自身のイデオロギー(道々の輩、自由民による公界)の縛りがあちこちに見えすぎてしまうのと、歴史の通説に敢えて挑戦している部分はその都度、言い訳とまでは行かないが強弁が見えてしまい、少々つらいものがあった。

特に『家康』で、秀忠が執拗に影武者世良田二郎三郎を暗殺しようとする設定は、ハラハラドキドキはさせられるのだが、秀忠の存立基盤を考えたときにいかに感情的に激しても実行はありえないのではないかと思わせられた。それを敢えて性懲りもなく突き進む秀忠の非理性的な思考の設定が現実離れしすぎているように思えてしまった。

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