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2007年12月16日 (日)

ハイフェッツのブルッフのヴァイオリン協奏曲、スコットランド幻想曲

Bruch_heifez


年末に入り、今年は年賀状も早めにパソコンで製作しプリントアウトをしたので、後は手書きのコメントを添えるだけになっている。比較的年末としての動きが早くできていて少々気分的に余裕があるので、年末の棚卸ではないが、今年購入してまだ感想を書いていないCDを取り出して聞きなおしたりしている。

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26は、生で聴いたことのある数少ないヴァイオリン・コンチェルトだが、長野で聴いたこと以外、ソリストと指揮者・オケがすぐに浮かんでこない。ただ、そのコンサートの予習に、コーガンとマゼールによるCDが最寄のCD屋に売っていたのを買って今でも手元にある。

その後、チョン・キョンファのシベリウスのカップリングにも収録(ケンペの指揮)していて、コーガンとチョンの聞き比べも楽しめた。

今年になって、ハイフェッツのこのCDが中古屋で目に留まり、ブルッフの『スコットランド幻想曲』とヴュータンの協奏曲第5番にも興味があったので、購入して聴いてみたところ、ブルッフの協奏曲ではハイフェッツの凄さを思い知らされた。

以前からハイフェッツのベートーヴェンやブラームスは、その凄さの反面、少々ハイフェッツのユニークな音楽性が前面に出過ぎと感じてもいたし、評判の高いメン・チャイもどうもしっくりこなかったが、このブルッフは素直に凄いと思った。

マックス・ブルッフという作曲家は、1838年生まれというから、自分でまとめながらなかなか記憶できないのだが、年表(エクセル)を見てみると、1800年の前半に生まれた多くのロマン派の作曲家の中の一人だ。しかし、その生涯や作品について知るところは少ないが、何と1920年までの長命を保ったという。

それでも、この協奏曲は、ロマン派の生んだ数多い(と思われる)ヴァイオリン協奏曲の中で、名技性だけに偏らず、楽想的にも憧れと熱情に満ちた感動的な名作だと思う。とは言え、名技性については、このハイフェッツのまさに切れ味するどいきっぱりした音程と細身の美しい音色が充分活かせるものを持ち、第三楽章の高揚感などはめったに聴かれない感動を呼ぶ音楽になっている。

サー・マルコム・サージェントとロンドン新交響楽団がバックを務める、珍しいロンドン録音で、デッカのクルーがRCAのために録音したものだと聞いたことのある録音だが、1960年代前半の初期のステレオとは言え非常に聞きやすい。

スコットランド幻想曲は、ドイツ系の作曲家によるスコットランドへの思慕という点で、メンデルスゾーンを思い起こさせるものだが、メンデルスゾーンの洗練に比較すると少々生の民謡を素材に使っているイメージだ。ケルト系の五音音階がドイツ系の人たちに何かアピールするものがあったのだろうか?日本人にはスコットランド、アイルランドの近代の?民謡は、学校教育の成果でもあるのだろうが、非常に郷愁を誘う魅力のあるものだが、特に第3楽章では、ハイフェッツの涼やかな音と表現でその魅力をたっぷり味わうことができる。ただ、ラロのスペイン交響曲ほど構成的ではなく、ソナタの名を冠するよりも幻想曲という名を選んだのだろうか。サラサーテに献呈され、彼によって初演されたのだという。1880年初演というので、活躍を始めた頃のホームズも聞いたかも知れない。

併録は、ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調は、前掲のグラフにも収録していない1820年生まれのベルギー出身のヴァイオリニストアンリ・ヴュータンによる作品。珍しい単一楽章性を取るが、大きく四つの部分に分かれ、序-急-緩-急に分かれる。まだ音楽を充分楽しめるほど聴きこめていない。

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