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2007年12月 5日 (水)

ミュンシュ/パリ管の『幻想交響曲』

Munchberliozfantastique

昨年2006年はモーツァルト生誕250年の記念年だったが、モーツァルトの命日の頃はブログ更新に疲れていたので、パスしてしまった。今年は年末になって何冊か音楽史関係の本を読んだり、コシを聞いたりしたので、自分のモーツァルト観が相当変貌したように思う。特に、ランドンの著書と、文句は付けたが『反音楽史』の影響が強い。

さて、最近の書店では、文化、芸術、歴史、哲学、数学、科学など『何々がすぐ分かる』というようなシリーズ本がよく目につく。クラシック音楽やオペラも手っ取り早く「分かる」ガイドブックが多く見られる。その中に、音楽評論家の諸石幸生氏の『クラシックがわかる超名盤100 (ON BOOKS 21)という本が並んでおり、『分かる』『超』『名盤』などなど最近の流行の形容詞がなんて一杯ついたガイドブックだろうと思いながら手にとってめくってみたところ、自分でも所有している音盤がいくつか掲載されていたので読んでみた。

この本はまだ未入手だが、美辞麗句を並べてあるわけではなく、情報量が多く結構面白いガイドブックだった。その中に、『幻想交響曲』の代表的な名盤として挙げられていたのが、このミュンシュ/パリ管の録音だった。

この録音は、10代のころLPで入手し、もう飽きるほど聴きまくったものだ。高校生の年代は、このベルリオーズという破天荒な作曲家の不可思議な世界が、モーツァルトやベートーヴェン、ブラームスなどとは違った意味で魅力的であり、特に終楽章の猛烈な演奏には聴くたびに興奮させられたものだった。

かつてLPで所有していた愛聴盤もときおりCDで買いなおしたりしているのだが、このフランス製のCDは、たまたま中古店で今年になって廉価で入手できたもので、LPもしばらく聴いていなかったり、幻想交響曲自体への関心が薄くなっていることもあり、聞く前に以前の感動が消滅してしまうのではないかとの躊躇があったのだが、聴いてみたところ、やはり乗りに乗った情熱的な演奏だった。終楽章が凄いだけでなく、第1楽章からすべて凄いとしかいいようのない激烈な演奏だと思う。

クリュイタンス/PO, モントゥー/サンフランシスコカラヤン/BPOと、CDで入手したものは、比較的品のよい演奏が多かった(モントゥーの感触は独特だが)が、このミュンシュの指揮によるグイグイ進むような演奏は、興奮の渦に巻き込まれながら懐かしさを感じさせてくれるものだった。

そういう意味で私にとっては、他の録音に冠たる後世にも必ず残る名盤というよりも、数少ないLPをとっかえひっかえ何度も聞きなおした頃の音楽との幸福な関係を思い出せてくれる大切な音盤という感じだ。

こういうのを聴くと録音芸術としてのクラシック音楽のピークは、1960年代から1970年代だったのかと思ったりもする。

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