国立科学博物館 花展の 源氏物語絵巻
2007年4月29日 (日) 上野 科博 花展と 本館(日本館)の再開館 という記事で、源氏物語絵巻の華麗な宮廷の情景を十二単や衣冠束帯などの衣装による精巧な日本人形で再現した展示の写真をアップロードしたところ、その写真へのアクセスが結構多いようなので、クリスマスプレゼントではないが、そのとき一緒に撮っておいた写真を追加してアップロードする。
先日、平安時代の郡衙跡らしい遺跡が実家の近所で発掘されたが、そのような東の涯からも租庸調を集め、今から1000年以上昔の人々が、このように繊細華麗な布と染めを用いた衣装をまとって宮廷生活を営んでいたというのは、少し不思議な感じがする。
今日は、天皇の74歳の誕生日だ。万世一系という世界にもまれな天皇制を保つこの日本だが、継体天皇、桓武天皇、南北朝の争乱、江戸幕府による圧政など天皇制の危機は多く、この華麗な平安朝の時代も藤原摂関家により権力はほしいままにされていた。最近読んだ網野善彦の『日本の歴史をよみなおす』(隆慶一郎の時代小説に大きな影響を与えた史観を一般向けに易しく説き起こしたもの)でも、天皇制が多くの職人の権威付けと特権を与える存在だったという意外なことも書かれていた。また、日本という国名も中国との関係で命名されているという指摘も面白かった。
と、難しいことはぬきにしても、宮廷文化というのは、どの時代も庶民にとっても魅力的なものだ。
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