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2007年12月23日 (日)

グリーグ 抒情小曲集(抜粋) ギレリス

Grieg

グリーグの没後100年も暮れようとしている。そこで、パノラマシリーズのグリーグに収録されているギレリスの『抒情小曲集』を改めて聞いてみた。この録音は、ギレリスが「鋼鉄のピアニスト」だけではないことも最も端的に示すものとして有名なもののようで、もっと収録曲の多いアルバムが出ており、そこからのさらに抜粋だ。

グリーグの創作期間のほとんどに渡って作曲された全10巻からなるこの小曲集のうち、以前からバルビローリとハレ管弦楽団によるオーケストラ編曲版『抒情組曲』作品54(羊飼いの少年、ノルウェー農民の行進曲、夜想曲、こびとの行進)全4曲を聴いて親しんできたが、ギレリス独奏には、この組曲の中の有名な「夜想曲」が含まれている。

先に、『リヒテルと私』を読んだときに、リヒテルが各地のリサイタルで、オール・グリーグプロの抒情小曲集を演奏したことが書かれており、来日のときにも取り上げて実際に聞かれた方もいるが、ソ連時代のロシアを代表するリヒテルとギレリスが、ともにこのミニアチュアを好んで弾いたというのも、非常に面白い。

グリーグは相当達者なピアニストであったようで、この小曲集は、小品とは言え、結構ピアニスティックな魅力的なパッセージが多く含まれているように感じる。その点でも稀代のヴィルトゥオーゾとしても知られるギレリスもリヒテルもこれらを好んだのではなかろうか。

アリエッタ Op.12-1, 蝶々 Op.43-1, 孤独なさすらい人 Op.43-2, ノルウェーの踊り(ハリング)Op.47-4, 夜想曲Op.54-4, スケルツォOp.54-5, 郷愁Op.57-6, 小川Op.62-4, バラード風にOp.65-5, ゆりかごの歌 Op.68-5, 余韻Op.71-7

ギレリスのピアノの音は、高音は透き通った清流のように透明で、ピアニシモの和音は本当に繊細な雰囲気を作り出す。グリーグの音楽自体が、どちらかと言えば、低音(バス)による支えをあまり多用しないようなので、本当にミニアチュールという感じの細密画的な音楽になっているようだ。

このCDに含まれている「余韻」は、冒頭の「アリエッタ」と同じメロディーを用いており、少々変奏しているゆえに「余韻」と名づけられのだろうか?「アリエッタ」が第1集の第1曲で、「余韻(思い出)」が第10集の最終曲なので、グリーグは、バッハのゴルトベルク変奏曲のようにちょうどアリアの再現でこの膨大な小曲集の輪を閉じようとしたのかも知れないと思った。

なお、以前 PILZというレーベルで多くのCDが発売されていたことがあった。演奏者はどれも覆面(偽称)だったらしく、どうもはっきりしないレーベルでいつの間にか立ち消えになったが、その中で、FCLAで話題になったシベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDがあり、その余白にグリーグの交響舞曲第4番(アルフレート・ショルツ指揮ニュルンベルク交響楽団)、そして抒情小曲集抜粋(ピアノ:Marian Pivca)というのがある。抜粋は6曲だが、このピアノの音が妙に変調がかかっているような感じで少し面白い演奏になっている。

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