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2008年1月 7日 (月)

J.S.バッハ 『クリスマス・オラトリオ』(ガーディナー)を聴く(6of6)

Weihnachts Oratorium BWV248 (クリスマスオラトリオ)

指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
管弦楽:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
合唱:モンテヴェルディ合唱団
アルジェンタ(S),ホールトン(S),プリングル(S),フォン・オッター(Ms),ブロッホヴィッツ(T),ジョンソン(T),ベアー(B)

1987年1月、ロンドンでの録音(場所は不詳)

第1部 降誕節 第1祝日(12月25日)用 全9曲
第2部 降誕節 第2祝日(12月26日)用 全14曲
第3部 降誕節 第3祝日(12月27日)用 全13曲
第4部 新年(1月1日 キリストの割礼と命名記念日)用 全7曲
第5部 新年後の主日(日曜日:1月2日から5日の間の日曜日に限る)用 全11曲
第6部 主顕節(顕現節 1月6日)用 全11曲

第6部 主顕節(顕現節 1月6日)用 全11曲(通し番号第54曲から第64曲)

これで全6部をすべて聴くことになる。第5部と同じく、マタイ伝を主なテキストにしており、内容的にも相当重複があるのは、第5部が曜日の関係で2008年のように演奏されないことを考えてのことだろう。ただし、主調は、第1部と同じくニ長調になっており、古典派の提示部と再現部ではないが、調性的にはダカーポして安定するということになるのだろう。また楽器編成的にも同じく第1部で用いられたD管のトランペットとティンパニが用いられれ、明るく華やぎのある曲調が主となっているようだ。

1.合唱:主よ、勝ち誇れる敵どもの息まくとき
2.福音史家とヘロデ:ここに、ヘロデひそかに博士らを招きて-いざ行きて幼な児のことをくまなく尋ね
3.レチタティーヴォ(ソプラノ):汝いつわり者よ、思うがままに主を倒さんとうかがい
4.アリア(ソプラノ):その御手のひとふりは無力なる人の子らの勢力を倒す
5.福音史家:彼ら王の言葉を聞きて行きしに
6.コラール:われはここ馬槽のかたえ汝がみ側に立つ
7.福音史家:ここに神、夢にてヘロデのもとに引返すなと
8.レチタティーヴォ(テノール):さらば行けよ、足れり、わが宝ここより去らずば
9.アリア(テノール):さらば汝ら勝ち誇れる敵ども、脅せかし
10.レチタティーヴォ(ソプラノ、アルト、テノール、バス):陰府の恐れ、いはまなにするものぞ
11.コラール:いまや汝らの神の報復はいみじくも遂げられたり

このクリスマス・オラトリオは、バッハの既作の諸作品からのパロディー(援用)が多いことで知られているが、この第6部はこのCDの解説によると、ほとんどが失われてしまった教会カンタータ BWV248aからの転用だと考えられているようだ。

第1曲の合唱は、非常に華やかなファンファーレから始まる。これほど華やかな曲調はバッハの曲の中でも稀ではなかろうか?

第2曲から第4曲は、ヘロデ王によるイエスの捜索のことを歌っている。さすがにこのクリスマス・オラトリオでは、ヘロデによるベツレヘムの幼子の虐殺のことには触れていない。

第5曲は、ヘロデが使わした学者(マギ?)のことを歌い、第6曲のコラールは敬虔な感情に溢れる。

第7曲の福音史家、第8曲の長いレチタティーヴォ、第9曲のアリアはテナーが活躍する。アリアはロ短調で書かれ、オーボエ・ダモーレがオブリガートで装飾する。ここは、先のヘロデの残虐な命令を暗示しているかのようだ。

第10曲のレチタティーヴォはソリスト全員ソプラノ、アルト、テナー、バスによる。そして冒頭の第1曲と同じ楽器編成による華やかな第11曲のコラール(ヴェルナー作)でこの6日に渡る長大なクリスマス・オラトリオは幕を閉じる。「キリストにより、死と悪魔と罪と陰府はことごとく牙を抜かれた」。

これで、クリスマスの12月25日から1月6日までの期間、ルター派のWeihnacht の典礼の音楽を聴いてきたわけだが、このように実際には細切れでなくても、せめて前半3部と後半3部は少し時間をおいて聞くほうが理解しやすいかもしれないと感じたのは確かだ。

やはり同じオラトリオ形式のバッハ作品とは言え、このクリスマス・オラトリオと名づけられた作品は、特にマタイ受難曲のようにいくら長大なものだとは言えその物語の劇的な筋と変化に富む音楽の力により一挙に聞かせるものとは違うように実感された。ガーディナーのCDの解説所収のエッセイにも書かれているように、この録音の前にこのガーディナー率いる団体もクリスマス期間の6日に分けて、ブランデンブルク協奏曲とペアを組ませてこのオラトリオの各部をロンドンの別々の教会で演奏したことがあったそうで、指揮者のそのような考え方が、一貫性よりも、個別性に影響しているのかも知れないとも思った。

このようにまとめた記事を書くのは結構面倒でもあったが、こうして少し丁寧に聴いておくと、次回からはある程度通しても飽きずにきくことが出来そうだ。自分で言うのもなんだが結構いい経験だった。

第 5部 新年後の主日(日曜日:1月2日から5日の間の日曜日に限る)用 全11曲 に戻る

第 1部 降誕節 第1祝日(12月25日)用 全9曲 に戻る

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