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2008年2月 8日 (金)

ベートーヴェン 交響曲第1番 飯守泰次郎指揮 東京シティ・フィル

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2002年3月21日に発売された新ベーレンライター版に基づく日本初の全集(2000年3-11月、2001年12月 東京文化会館におけるライヴ録音)というキャッチフレーズがついたベートーヴェンの交響曲全集から、まずは小手調べというわけではないが、第1番を聴いてみた。(上の写真が交響曲全集の表裏、下の写真は2002年にもらったキャンペーン用の無料配布CDの表裏で、この無料配布盤で、この指揮者のユニークな経歴や活動を初めて知った。)

まずは、例の演奏そのものは非常に面白く魅力的なジンマン指揮のチューリヒ・トーンハレが世界初の新ベーレンライター版による全集と銘打って発売されたが、実は最後に録音された第九を除いて、新ベーレンライター版を用いていなかったことが「ばれ」てしまい、せっかくのユニークな演奏解釈にミソをつけてしまったというような経緯がある。ベーレンライター版については、そのような経験から少々眉唾だったが、以下のような研究成果を読んで初めてその位置や全貌が少し理解できた。

ベートーヴェンの日本での研究については、国立音楽大学の音楽研究所 ベートーヴェン研究部門がつい最近まで活躍していた(サイトはそのまま残されている)。

この中の研究年報論文および報告のページ http://www.ri.kunitachi.ac.jp/lvb/rep/rep.html には、

藤本一子(論文)
《第9交響曲》の楽譜とベーレンライター版が提起する問題 (PDFファイル:約353KB)というベーレンライター版についての非常に詳しい論文が掲載されており、相当勉強になる。
(この論文、報告のページに掲載されているその他の多くの記事もまったく時間の経つのを忘れるほど面白い。)
飯守泰次郎指揮の東京シティ・フィルの録音は、ライヴ録音だというが、数回のテイクを編集したものか、ほとんどミスは聞き取れず、客席などの雑音もないものになっている。しかし、ライヴならではの感興は感じられる。
新ベーレンライター版以前のピリオド楽器派のアプローチや、先ほどのジンマンによるモダン楽器を用いてのピリオド楽器的なアプローチなど先例は多くある。ベーレンライター版と旧版との違いは、楽譜を参照しながら聴かなければ本当の面白さは分からないとは思うが、第1交響曲を聴く限りこの飯守の全集は一度聴いてその奇抜さに腰を抜かすというものではなく、音楽としての流れのよさ、そしてライヴならではの緊張感にあるように思う。全体的にスリムな編成で、音響的にも爽やかな聞きやすいものだ。これから少しずつ楽しんでみようと思う。

追記:2008/03/13 相互リンクいただいているみー太の音楽日記に同じ全集の『英雄』の記事がアップされたので、コメントとトラックバックを送らせてもらった。

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