セル/CLO ヴァーグナーの『リング』抜粋オーケストラ曲集
楽劇『ニーベルングの指環』より
1.『ラインの黄金』より『ヴァルハラへの神々の入城』
2.『ヴァルキューレ』より『ヴァルキューレの騎行』
3.『ヴァルキューレ』より『魔法の炎の音楽』
4.『ジークフリート』より『森のささやき』
5.『神々の黄昏』より『夜明けとジークフリートのラインの旅』
6.『神々の黄昏』より『ジークフリートの葬送の音楽と最終場面』
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 (MYK36715 Produced by Andrew Kazdin, マルC 1985)
先の土曜日は、午前中に家族と用事に出かけた。そのおり、知人に噂話を聞いていてブログ記事で確認できたコーヒー豆の焙煎販売店で、ブラジルサントスとマンデリンを買い求め、早速ブラジルを挽いて飲んで見た。癖がなくスタンダードな味を楽しめた。
その午後は特に用事もなかったので、コーヒーを飲みながらテレビを楽しんだ。
世界の建築100選の後半50選をBSで放映しており、日本の城郭(松本城や姫路城)のほかに、ヴェルサイユ宮殿やアルハンブラ宮殿なども取り上げられており、その中にバイエルン王の例のルートヴィヒ二世のノイシュヴァンシュタイン城とそのほか彼が作った2件の宮殿が放映され、ヴァーグナーとの関わり合いについても結構詳しく紹介されていた。(ヴィスコンティの『ルートヴィヒ』も、こういう予備知識を持っていればもっと鑑賞が面白かったかも知れない)。
ノイ・シュヴァン・シュタイン 新しい・白鳥の・石 は、名前自体が白鳥の騎士ローエングリンの伝説に基づくものらしいし、城内にはなんとタンホイザーのヴェヌスブルクの洞窟まで再現しているのだという。また礼拝堂の見事な中世風のステンドグラスの下絵はルートヴィヒ自身によるものだという。まるで、ディズニーが一国の国王になったような人物だったわけだ。
そんな番組に刺激されて、最近ようやく入手できたセルとクリーヴランド管による"Ring"の抜粋盤を楽しんだ。同趣向のものは、以前ショルティとVPOによるものを取り上げたことがあるが、このセル盤はそれよりももっとずっと早い時期のもので、セル自身が曲と曲のブリッジの部分を作曲したとも言われているものらしい。
(じっくり耳を通していないのがばれてしまう記述だった^^; 抜粋にブリッジを追加して作曲したのはマゼールで、ベルリンフィルとテラークに入れた録音でそれを聴くことができる。セルのこの抜粋集にはそのような経過部はついていない。2010/1/29追記)
この盤自体、1985年の発売であり、最新ディジタルリマスタリングでもないので、音響は少々鮮明さを欠くものだが、これこそ「リング」入門に最適との評価もむべなるかなと言う非常に理解し易いまとまった音楽になっているように感じた。
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コメント
おはようございます。
これはエアチェックして随分楽しみました。7号テープに録音、ケースには丁度レコード芸術の表紙に使われたのを切り抜いて貼りました。自家製ミュージックテープの完成、一人悦に入って聴いていたのは、、、40年くらい前になるでしょいうか? CDが発売されて早速購入したのですが音にがっかりした記憶があります。昔の思い出は美しい??
投稿: 天ぬき | 2008年2月18日 (月) 11:07
天ぬきさん、今晩は。コメントありがとうございます。
レコード芸術の表紙というとセルの肖像画でしょうか、それともこのLPのジャケット写真ですか?それほど発売当時も話題を呼んだんですね。この盤の噂は以前から耳にしていたのですが、なかなか聴けないでおりましたが、ようやく入手できました。
カラヤンやベームの『リング』が室内楽的とよく言われますが、このセルとクリーヴランド管がもし全曲を録音してくれていたなら、などとは適わぬ夢ながら、録音の混濁や古さを別にすれば、素晴らしいものだと聴き入っております。
このCDも初期のもので、改めてディジタルリマスタリングされればもう少し聴きやすいものになってくれるかも知れないと期待はしております。
投稿: 望 岳人 | 2008年2月18日 (月) 21:03
おはようございます。
言葉足らずですいませんでした。
表紙はLPのジャケット写真でした。当時は話題のLPのジャケットを表紙に使っていたので随分使わせてもらいました。今よりも厚手の紙を使っていたし7号テープのケースにジャストサイズだったのも◎でした。
それからウィーン・コンツェルトハウスのハイドンはウェストミンスター盤です。モノラルですが聴き易くて支障は全くありません。
投稿: 天ぬき | 2008年2月19日 (火) 10:31
天ぬきさん、再びコメントありがとうございます。つい質問口調で書いてしまったので、お手数をおかけしました。
セルの『リング』のLPのジャケット写真と言えば、舞台美術の絵画風のものだったですね。昨晩も、クレンペラーを聴く前に聴きましたが、非常に面白く聴けました。
コンツェルトハウス四重奏団のもやはりウェストミンスター盤でしたか。ウェストミンスターレーベルには特に室内楽で名盤が多いですね。モノラルでもいい音ですね。
投稿: 望 岳人 | 2008年2月19日 (火) 21:18