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2008年2月 4日 (月)

ムーティ/フィラデルフィアの『ローマ三部作』

Muti_respighi_roman_triology

オットリーノ・レスピーギ

交響詩『ローマの松』『ローマの泉』『ローマの祭り』

リッカルド・ムーティ指揮 フィラデルフィア管弦楽団

(1984年、ディジタル録音)

今日は立春。これで、一応寒が明け、暦の上では春が始まったわけだ。古い時代は、この日が新年の初めで、古今集の「 袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つ今日の 風やとくらむ 紀貫之」の歌は、立春を歌った歌だが、ちょうどこの頃が旧暦(太陰太陽暦)では、正月だったわけで、今年も2月7日が旧正月となり、アジア諸国では、約1週間の長期連休になる国が多い。

外は、数年ぶりの大雪に見舞われた節分の日、寒い部屋で、少しでも春の息吹を感じたいと取り出したのがこのCD。新婚旅行で春のローマ・フィレンツェを楽しんだこともあり、イタリアには、季節としての春、人生の春を連想することが多い。

これまで、 ローマ三部作のCDでは、決定盤ながらモノーラルの、ホールトーンが乏しいトスカニーニの名盤と、2006年4月18日 (火) レスピーギの命日に聴く スヴェトラーノフの「ローマ三部作」で書いたソ連時代のスヴェトラーノフによる異常とも言えるテンションと解釈の演奏しか手元になく、『ファンタジア2000』でのレヴァイン指揮シカゴ響並みの鮮明な録音でこの曲を聴きたくなり、自分としては珍しくムーティ指揮のCDを購入した。(LP時代は、ムーティの前任者オーマンディによるRCA録音の三部作で華麗な水しぶきを浴びていたのだが)。

そういえば、ムーティの音盤には、ほとんど縁がなく、もしかしたら協奏曲の伴奏なども含めてもこれが唯一のものかも知れない。

レスピーギは比較的現代の作曲家のようだが、あの『シェヘラザード』のリムスキー=コルサコフにオーケストレーションを教えてもらいにロシアまで出向いたことのあるという経歴を持っているらしい。また、近代は圧倒的にオペラの国だったイタリアで、器楽曲中心の作曲を行った、かの国としては変り種の音楽家でもあったらしい。

ムーティのお国ものとは言え、オペラを得意とする彼が(シニフォニー指揮者としても評価は高いが)、シェフとなった名人オーケストラでどのような演奏をしているかが興味の焦点だったが、しごくまっとうな音楽を聴かせてくれる。トスカニーニほど剛直ではないし、勿論スヴェトラーノフ張りの爆演でも勿論ない。またオーマンディ風の余裕のある大人の音楽でもなく、やはり颯爽としてスタイリッシュなムーティの外見のイメージを思わせる音楽になっているのが不思議だ。外見や立ち居振る舞いの印象と特にその指揮者が作り出す音楽というものの関係は少し興味深い関係があるように思うのだがどうだろうか?

近年EMIのディジタル録音はあまり評判がよくないようだが、このフィラデルフィアでの録音はそれほど悪くないように思える。ただし、曲が曲だけにダイナミックレンジが広くとってあり、聞こえるか聞こえないかのピアニシシモから大音量のフォルティッシモまでが再生されるため、我が家のような集合住宅では隣近所の反応に気兼ねしながらの鑑賞になるため、ヘッドフォン(イアフォン)鑑賞となることが多い(>_<)

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ディスク音楽01 オーケストラ 」カテゴリの記事

コメント

先年、同じCDを入手、嬉しく聴いております。当方の小規模なコレクションの中でも、なぜかこの曲目には御縁があり、何種類かをとっかえひっかえ聴いております。管弦楽の充実した聴きどころの多い「松」、ピアニシモが生きる「泉」、メリーゴーランドのような楽しさの「祭」と、それぞれ個性的な三部作ですね。トラックバックいたします。

投稿: narkejp | 2008年2月 4日 (月) 06:42

narkejpさん、今晩は。当方も昨日は久しぶりのまとまった雪に見舞われました。元々雪国の私などは、narkejpさんの雉の記事の屋根の雪を拝見し懐かしがっているほどで、少しの雪など平気の平左なのですが、家にスコップはなく雪かきもできず、クルマにはスタッドレスはおろかチェーンもついていないという状態。勿論防寒靴(ブーツ)もありませんので、少しの雪で大慌てという関東地方人になりきってしまいました。

ところで、同じ音源の記事からのコメント、トラックバックありがとうございます。周囲を気にせず、ピアニシモが十分聞こえる音量で、フォルテシモを響かせたら気持ちがいいのですが、それがほぼ出来ない状態で逆にこのようなフルオケの曲はストレスが溜まるので、もっぱらヘッドフォン鑑賞です。

投稿: 望 岳人 | 2008年2月 4日 (月) 19:46

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» レスピーギ「ローマの祭」を聞く [電網郊外散歩道]
週の始まりの今日は、屈託のない音の快感、レスピーギの「ローマの祭」を聞いた。全曲が通して演奏される。 第1曲、「チルチェンセス」、ファンファーレに伴い開始されるのは、大管弦楽によるなんともスペクタキュラーな音楽だ。古代ローマの暴君ネロが、円形闘技場においてキリスト教徒をライオンに食い殺させるショーを描いた部分もあるそうだが、シェンキヴィッチの『クオ・ヴァディス』の世界か。 第2曲、「五十年祭」。Wikipediaによれば、古い賛美歌をモチーフとし、ロマネスク時代の祭を表すとあるが、意味がよくわから... [続きを読む]

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