エロール『ザンパ』序曲 オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団
エロール(ヘロルド)は多作なオペラ作曲家だったらしい(wikipedia)が、今日も比較的よく聴かれるのが歌劇『ザンパ』の序曲だ。といっても、最近はいわゆる名序曲集にもあまり収録されることがないようで、ようやくこのオーマンディのRCA録音盤に入っているのを見つけた。(『天国と地獄』 序曲名曲集)
The Great Collection of Classical Music の分売だが、RCAの原盤によるものでFDCA802という型番がついている。CBS時代より後のものなので、恐らく1970年代の録音だろう。
これとほぼ共通する曲目を、バリー・ワーズワース指揮のロンドン交響楽団『天国と地獄』 序曲名演集というCD(こちらはFDCA 602で、ディジタル録音)で持っており、これはこれで楽しいのだが、さすがに格の違いというか、オーマンディとフィラデルフィアの名コンビによる演奏、録音には一日の長があるように思う。
ゴージャスさを売り物にしたこのコンビだが、やはり基本的な性能の高さがこのようなホームコンサート的なものでも如実に現れるようだ。カラヤンもこのような小曲集を決してないがしろにせずにきっちり演出して仕上げたことで知られるが、オーマンディのものはむやみに演出せずに、オーマンディの芸風なのだろうが、あっさりと素のまま提示してくれるという感じだ。
『天国と地獄』も面白かったが、『詩人と農夫』に登場するアメリカ民謡『線路は続くよ』を思わせる部分でも思わずにやっとし、『ザンパ』は「ああ、こういう曲だったな」という懐かしさを持たせてくれた。『ウィリアム・テル』序曲は、さすがにフィラデルフィア管弦楽団というところを聞かせてくれる。
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