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2008年2月13日 (水)

ベートーヴェン ピアノ三重奏曲『大公』『幽霊』アシュケナージ、パールマン、ハレル

Beethoven_pianotrio_ashkenazy_perlm ベートーヴェン

ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 作品97『大公』

同 第5番 ニ長調 作品70の1『幽霊』

アシュケナージ(p), パールマン(vn), ハレル(vc)

〔作品97 1982年2月22-24日ニューヨーク、RCAスタジオ ディジタル録音。作品70の1 1979年6月&1984年4月ロンドン、アビーロードスタジオ アナログ録音〕

これまで、デッカレーベル録音のアシュケナージのピアノの音について、結構辛らつに批判を書いてきた。ところが、このEMIレーベルの録音でのアシュケナージの音色は、デッカ録音とは少し様子が違うのに驚いた。相変わらずにじんだような音色ではあるのだが(これがやはり彼のピアノの音色なのだろう)、それほど違和感を感じないのだ。ただ、少し指捌きの点では不安定な部分がところどころあるように聞こえてしまうことがある。

名曲『大公』トリオでは、『海辺のカフカ』関係で、例の百万ドルトリオの古い録音のリマスタリングCDを先年聴いたが、今回はこの「新・名曲の世界82」で気軽に楽しませてもらっている。ルービンシュタイン、ハイフエッツ、フォイアマンという当時のビッグネーム達の張り合いとは異なり、現代のビッグネームたち(往時に比べると少し超絶性や神秘性のヴェールが剥ぎ取られた現代人でもあり、ハレルはソリストとしてはアシュケナージとパールマンよりも少し格下だろう)は、ずっと和やかにベートーヴェンの後期の傑作で対話を繰り広げている。

勿論、この曲には、百万ドルトリオ以外にも、例のカザルス、ティボー、コルトーによる超絶的な名人達のトリオの録音も残されており、今なおその評価が高いので、同じ路線で対抗しても仕方がないというところもあるのだろう。

ベートーヴェンのピアノトリオは、それほど多くの演奏や曲目に接したことがあるわけではなく、これまでに有名な『大公』トリオ以外は、グールドがピアノを務めた『幽霊』程度しか聴いたことがない。それでも『大公』『幽霊』ともアシュケナージ・パールマン・ハレルトリオの演奏は、伸び伸びと健康的で楽天性を感じさせてくれるところに長所があるように感じた。特に、『大公』では時に退屈することのある第3楽章の変奏曲を彼らは丁寧にメリハリをつけて弾いているのが好ましい。

録音は、特に『大公』の方は相当のオンマイクだが、音割れ等はなく、パールマンとハレルの弓と弦の擦れる瞬間の音までが捉えられており、細部まで明瞭で、全体的なバランスにも悪くないように聞こえる。

ところで、録音データで『幽霊』の方が、ミスの編集なのか1979年録音と1984年録音が並べて書かれているのが不思議だ。

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