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2008年6月12日 (木)

モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 を聴く

◎レオポルト・ウラッハ Leopold Wlach と ヴィーン・コンツェルトハウス四重奏団(カンパー、ティッツェ、ヴァイス、クヴァルダ)  9:41/8:32/8:02/10:16  〔1951年録音、ヴィーン、コンツェルトハウス、モーツァルトザール〕 MVCW-19020 ウェストミンスター復刻第1期CD

◎アルフレート・プリンツ Alfred Prinz と ヴィーン室内合奏団 (ヘッツェル、メッツル、シュトレンク、スコチッチ) 9:31/6:30/7:34/9:39 〔1979/9/23-25, ヴィーン・ポリフムニア・スタジオ〕DENON 20CO-2841 (Ariola-Eurodisc原盤)

朝方は風を伴う強い雨で、出勤時に相当濡れてしまった。我が家の雨漏りは結構大きい工事をしてもらったのだが、昨夜来の雨で、また始まってしまった。まだ家の中が片付かない。

このところベートーヴェンのピアノ・ソナタを集中して聴いていたが、急にモーツァルトのクラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲を聴きたくなった。

このところずっと聴いていなかった曲だ。

LP時代は、DGのカール・ライスターのクラリネットとベルリンフィルのメンバーによるベルリン・ゾリステンによる演奏をスコアを眺めながら幾度となく聴いたものだった。このクラリネット五重奏曲は、クラリネットの音の魅力もあり、普通の弦楽四重奏曲や弦楽五重奏曲よりも、「入り」易いようだ。(フルート四重奏曲、オーボエ四重奏曲も同様)、木管楽器がメロディーを担うことにより、色彩的な多様さが生まれて、それが比較的初心者にも分かりやすいのかも知れない。私の知り合いのクラシックをその頃聴き始めたという人も、この曲が大好きだと言っていた。

モーツァルト1789年(フランス革命の年)の『コシ・ファン・トゥッテ』の年に作曲された曲で、既に晩年様式である透明な感覚をまとい始めてはいるが、彼岸的な親しみにくさはなく、むしろモーツァルトの室内楽の中では最も聞きやすいものではないかと思う。

最初に音盤で聞いたのは、上記LPだが、その後、プリンツによるCDを入手し、これまた長く聴いた。ウラッハによる名盤は、ウェストミンスター原盤が見つかったとかで、それまでとは格段に音質が向上したという謳い文句で発売されたもの。確かにウラッハのクラリネットのキーを開け閉めするカチカチという音まではっきり聞き取れる。1950年代のヴィーンは、バリリやこのコンツェルトハウスなど、戦後すぐとは言え、充実した音楽活動が始まっていたようだ。そこに目をつけたウェストミンスターレーベルも大したものだとと思う。

ウラッハ、コンツェルトハウスの演奏は、少し表情過多かと思うし、モノーラルということで、楽器の分離が少し苦しいが、少々退廃的な感じさえうかがわせ、今では得られないヴィーン情緒・スタイル一杯の演奏で、アンサンブルとしての一体感や様式感の見事さは素晴らしく、やはり一度は聴いておくべきなのかも知れない。ただ、(私としての現代である1970年代の演奏の)プリンツたちのよりくどさがない演奏に共感を覚える。セルではないが、「新鮮なアスパラガスをチョコレートで味付けする必要はない」からだ。

その点で言えば、ベルリン・ゾリステンの演奏は、巧いが少しドライだったと記憶する。

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