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2008年6月24日 (火)

ケンペ/SKD の『ティル・オイレンシュピーゲル』

Kempe_skd_alpine_symphony ルドルフ・ケンペという指揮者は、結構聴いているような気がしていたが、音盤的にはほとんど持っていないことに改めて気がついた。チョン・キョンファのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番のオケの指揮がこのケンペでオーケストラは、ロイヤル・フィルハーモニーというのが唯一の音盤だったようだ。(併録は、プレヴィン指揮のロンドン響とのシベリウスのヴァイオリン協奏曲)

またしても、ブックオフでの購入だが、一時期リマスタリング(チャイコフスキーの弦楽四重奏曲)に不平を言ったことがあるEMICLASSICS 決定盤1300シリーズの R.シュトラウス『アルプス交響曲』のフィルアップに、『ティル・オイゲンシュピーゲルの愉快な悪戯』が収録されており、聴いてみたところ、まさに魅了されてしまった。

主にケンペの活躍は、ミュンヘン・フィルとのものだったように記憶していたが、そういえばこの時期、シュターツカペレ・ドレスデンとこのリヒャルト・シュトラウスのオーケストラ曲集をまとめて録音していたのだった。この『アルプス交響曲』などは、人気ランクで上位によく入るものだったと思うが、曲自体にあまり魅力を感じなかったので、手持ちのアシュケナージ/CLOのものがあればいいと思っていたところがある。

例のブックオフの廉価価格なので、ケンペを一度聴いてみたいものだとつい購入してしまったが、1970年のアナログ期の東独でのEMI録音にしては、結構マルチマイクなのか、楽器の分離もよく、音色もくすみがなく、明快で歪のない音響を聴くことができる。SKDは、主にブロムシュテットの指揮のものをこれまでよく聴いてきたが、指揮者に対する反応も鋭敏なようで、他のケンペの指揮のものを残念ながらほとんど知らないが、細部までゆるがせすることなく、明快に演奏しつくしている。そこに、これはケンペの指示による表情付け、音色指示なのだろうか、なんとも多彩な表情が聞き取れる面白い聴きものになっている。

以前、セル、ベーム、カラヤン、アシュケナージの指揮でこの曲を聴き比べをしたことがあったが、中ではセルによる場面転換の鮮やかさに相通ずるものがあるように思った。SDKもリヒャルト・シュトラウスが指揮台に立ったことのある関係深いオーケストラであり、シュトラウスの演奏の伝統とそれへの矜持のようなものを持っているようにも思える。

本当に生彩に富んだ愉快なティルだった。ケンペのイメージは、実直なドイツのカペルマイスターで地味なイメージをこれまで持って来たが、この生気溢れる音楽は今更ながら驚かされた。

EMI CLASSICS TOCE-13060  14:36  1970年6月 (あのドレスデンのルカ教会での録音とのこと)

なお、アルプス交響曲は、1971年9月録音で、トラックナンバーが1から22まで切ってあり、場面場面の描写の確認にも便利だ。

P.S. 久しぶりにチョン・キョンファによるブルッフの協奏曲を聴いている。先日感心したハイフエッツの録音や、聴きなれたコーガンのものに比べるとソロは少し没我的で自己陶酔しているかのようだが、第2楽章、ケンペの指揮するロイヤルフィルによるちょうど『アルプス交響曲』の主題によく似た部分など、これまでオケに注目することはあまりなかったが、なかなか素晴らしい音楽になっていると感じた。

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コメント

交響詩の中で「ティル」はもっとも作曲家のユーモアが溢れていて面白いと思いますが、季節がらからはアルペンジンフォニーでしょうか。

前者はケンペやフルトヴェングラーの録音をもっていますが、最近ラジオで聞いたティーレマンのものが印象的でした。なんと云ってもドレスデンのシュターツカペレは団子になるとこも愛嬌でヴィーンとは違う魅力がありますね。それからするとティーレマンや後者の曲などでも聞かせるショルティの録音などは何を釈迦力になってやっているのだと思わせます。

因みにシュターツカペレのものでは1930年代に黄金期を築いたベームの指揮した「薔薇の騎士」が愛聴盤です。

アシュケナージの録音も買いましたが、ああいう風に立派に演奏されるとにやはり遠のいてしまいそうです。作曲家がミュンヘンのを振った録音ももっていますが、これもなかなか手が出ません。

雲がかかって、朝から蒸して、午後は夕立が来そうです。

投稿: pfaelzerwein | 2008年6月25日 (水) 16:03

pfaelzerweinさん、今晩は。コメントありがとうございます。

6月のヨーロッパには行ったことがありませんが、夏至の頃の日の光が燦燦と輝いているのでしょうか?そして夕立と言えば、アルプス交響曲の世界ですね。

日本で3000m級の夏山と言えば梅雨明けなので、現在の鬱陶しい梅雨空ではあまり「アイネ・アルペン・ジンフォニー」という気分ではないのですが、コメントをいただいたこともあり冒頭から聴いて楽しみました。コメントにもあるアシュケナージの録音は、セル、ブーレーズ、マゼール、ドホナーニといったこわもて指揮者たちに鍛えられたヴィルトゥオーゾオーケストラを楽天的に指揮したあっけらかんとしたという印象であまり感心しなかったのですが、ケンペのものは奇を衒ったものではないのに面白いですね。

細かく解説やスコアを見たことはないのですが、一応単一楽章のソナタ形式を取っているのでしょうか?ただ、あまりにも楽想が多彩すぎて、家庭交響曲よりもさらに巨大交響詩だとは思いますが。まあ、そう分析的に聴くよりも、ワクワクするような場面場面の描写的、心理的、気分的な転換が聞き取ることができる演奏で、ヨーロッパアルプスに比べれば少々スケールは小さいですが、猿倉から白馬の大雪渓を登り、山荘で一泊して翌朝の嵐の中を杓子・鑓方面から鑓温泉に降りてゆっくり天上の湯につかった山旅を思い出しました。

ティルでは、こわもてのティーレマン氏は活躍中のようですね。フルトヴェングラーのは音盤を持っていないので、是非その高名な演奏を楽しみたいと思います。

投稿: 望 岳人 | 2008年6月25日 (水) 21:25

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