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2008年7月14日 (月)

日本語学者 大野晋氏の逝去を悼む

高校生ごろから大学生ごろまで、いわゆるアイデンティティの確立期だったのだろうが、日本語の成立、日本語の語源、日本語の由来等々に興味を持っていたときに出会ったのが、大野晋『日本語の起源』(岩波新書青版)だったと思う。日本語の語彙が、南インドのタミル語に大変共通性があるというショッキングな学説だった。学問的な想像力の点では凄いと思ったが、語彙が似ていても文法はどうなのだろうというクエスチョンが残ったように思う。

近年ベストセラーになった『日本語練習帳』は購入したが、よい生徒ではなく、途中で中断中である。

とは言え、88歳の大往生だったとのこと。御冥福を祈りたい。

ところで、日本語という世界的にも不可思議な言語を操るユニークな民族に属する自分としては、アイヌ語、朝鮮語等との比較研究の方がどうなっているのかが興味がある。最近の研究では、ジャポニカ種の起源も遺伝子的に改められようとしているようだが、それらをもたらした弥生人とそれ以前に旧石器時代から日本列島に居住していた人々(その子孫が縄文人だろうか)との融合した民族が、現在の日本人の主流の祖先なのだろうか。

ブリテン島、アイルランド島が多くの周辺諸民族の坩堝となったように、日本列島も同じく、北から、南から西から、東から訪れた諸民族の坩堝であったことだろう。

朝鮮語とは、いわゆる文法的な語順がそっくりだというのだから、そうとうの近似性があるのだろうし、アイヌ語からは多くの語彙を受け継いでいるという。近世・近代の不幸な侵略、抑圧等の関係から、相互の語学研究にはなんらかのタブーがあるのかも知れないが、日本語がバスク語のような世界の孤児的な言語ということはないように思うのだが。

ただ、朝鮮語(韓国語)は、初歩のハングルから勉強しようとして、何度も躓いてしまっている。必要性の問題もあるのだろうが、合理的に作られた文字とは言え記憶力がついていかないのは不思議だ。ハングルが読めなくても、会話を習うことは可能だろうとは思うけれど、なかなか先に進まない。

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