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2008年7月 5日 (土)

『四季』を題材にした曲集より『夏』の音楽

ヴィヴァルディの協奏曲集『四季』は、作曲者存命当時からパリあたりでも出版され、それをあの思想家・音楽家のジャン=ジャック・ルソーがソロフルート用に編曲して出版したという話は、以前海老沢敏氏の著作に書かれていたことに触れたが、先日の『忠実なる羊飼い』のように超多作家のヴィヴィアルディの名前は、当時相当知れ渡っていたようで、ヨーロッパ各地で愛好されたものらしい。そこで、あのヨハン・ゼバスティアン・バッハが、ヴィヴァルディの作品をオルガン用に編曲したり、自分の協奏曲様式の参考例として研究したのだろう。

ということで、『四季』といえば、ヴィヴァルディと条件反射になるのだが、その他先日挙げたチャイコフスキーのピアノ独奏用の『四季 Les Saisons』全12曲もあるし、あの『天地創造』と並ぶハイドンのオラトリオ『四季 Die Jahreszeiten = The Seasons』 日本語に直訳すれば、年間の時々ということなので、季節ということでよいのだろうか。ヴィヴァルディの場合には、イタリア語で四つの季節とはっきり書かれているので、四季でよいのだろうが、チャイコフスキーやハイドンの場合には、四季というよりも「季節」とした方がより正確なのだろうと思う。ただ、題名は、春、夏、秋、冬となっているので、四季の方がいいのかも知れない。(マリーナー盤で、約2時間強)

Haydn_jahreszeiten_marriner


また、少し珍しいところでは、アレクサンドル・グラズノフに バレエ『四季』 The Seasons Op.67という作品もある。(四つの部分に分かれており、アンセルメ盤では36分弱)

Ansermet_nutcracker_glazunov_season


沖縄、奄美地方(7/2)を別として、はっきりと梅雨明け宣言の出たのは四国地方だけのようだが、「平年に比べ13日、昨年に比べて19日も早い梅雨明けです。」ということで、少々勇み足気味の宣言のような気がしないでもない。

それでも関東地方も昨日、今日と30℃を越えるような最高気温を記録し、まだ暑さに慣れない身体が結構つらさを訴えている。クーラーを適当に使ってしのいでいるが、NHKの女性アナウンサーが言っていたように昨晩は本当に寝苦しかった。

チャイコフスキーの『四季(季節)』は、12ヶ月でが、露西亜暦によるのだろうか、夏至の頃の「白夜」が5月の題名になっている。これを現代の6月に当てはめると、原曲6月の『舟歌』は、現代の7月の水辺の風景になるのだろうか。チャイコフスキー的な物憂げな美しいメロディーでよく知られる曲だが、モスクワかペテルブルクの舟遊びの印象を音楽にしたものだろうか。薄暮の中を、ベネチアのゴンドラではないが、ゆったりと河を漂う納涼的なレジャーがあったものだろうか?

ペテルブルグの夏の川沿いの風景というと、ラスコーリニコフの歩みを想像してしまうのだが、ヨーロッパ大陸の内陸は、高緯度地方とは言え暑さが厳しそうで、あの小説から夏のあまり快適ではない香りが漂ってくるようだが、チャイコフスキーの曲では、そのような無粋さはたくみに避けられている。

グラズノフは、チャイコフスキーよりも25歳ほど年少の世代でリムスキー=コルサコフに家庭教師を務めてもらった神童で、ペテルブルク音楽院ではショスタコーヴィチの先生としても知られる作曲家であるが、あまり作品を聴く機会はない。この『四季』は珍しく冬、春、夏、秋の順になっているが、舞台作品としては、冬で静か(まはた荒々しく)終わるよりも、秋の収穫で賑やかに終わるほうがいいと考えたものだろうか。(アンセルメ/スイス・ロマンド管 UCCD-3037/8)。 

ハイドンの『四季』の『夏』は燃え盛る太陽と、日照り、雷雨(嵐)などを歌詞に託して表現している(マリナー/ASMIF PHCP-20169/70)。

ヴィヴァルディの『夏』もそうだが、農民的、牧歌的な表現では、夏は秋の収穫をもたらすための試練のような季節として見られていたような感じである。

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