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2009年1月 6日 (火)

正月の駅伝と『風が強く吹いている』

恒例の正月1日の実業団駅伝、2・3日の関東大学駅伝は、いずれも白熱したドラマが展開されて非常に面白かった。父は、駅伝偏重が日本の長距離を弱くしているという持論を以前から持っているが、マラソンの孤独な戦いとはまた別の面白さが、この長距離のリレーにはあるように思う。

100kmという長丁場を、浅間おろし、赤城おろしの空っ風の中で日本の一流長距離ランナーたちが襷をつなぐ実業団駅伝では、富士通が2000年の初優勝以来久しぶりに2回目の優勝を果たした。それもアンカーの最後の50mまで、日清食品、旭化成との三つ巴の戦いだったのがすごかった。マラソンの前日本記録保持者で、残念ながら故障が多くオリンピックには縁がなかった藤田が富士通の現役で、彼の存在が大きかったし、監督がインタビューに答えていたが富士通の各ランナーが、各区間の最後の最後で力を振り絞り、一つでも上位で襷を渡した積極性が最終的には功を奏したように感じた。

大学駅伝は、2区の二人のケニア人留学生、山梨学院のモグスの区間新、日大のダニエルの20人抜きの快挙もすごかったが、日本人エース対決では、3区の早稲田竹澤と、東海大の佐藤の快走も興味深かった。二人とも本調子ではなかったようだが、竹澤は佐藤の区間記録を破る快走。佐藤も13人抜き(途中までは15人抜きで最後で2人に抜き返された)の快記録を打ち立てた。このまま早稲田の往路優勝かと思っていたところ、山登りで奇跡が起こり、19歳の一年生東洋大の柏原が何と昨年までの「山の神」今井の区間記録を破る大激走で、トップとの5分ほどの差を一挙に逆転して東洋大に初優勝をもたらした。復路では当然早稲田の優勝、総合優勝だと多くが予想していたが、東洋大は復路でも信じられないような粘りを見せ、復路優勝、総合優勝も果たした。長い歴史の中で東洋大の優勝は初めてだったという。直前の不祥事で監督が辞任するなど出場自体が危ぶまれた東洋大だったが、それが選手一丸の開き直り的な気持ちをもたらしたのだがから万事塞翁が馬を地でいくようなドラマだった。読売新聞(報知新聞)のガイドブックを見ると、駒大、早大に並んで、東洋大も下馬評にあがっていたが、それもそのはず、高校時代の無名ランナーをスカウトしてじっくり鍛え、持ちタイムでは出場大学中トップクラスにまで育て上げたのだという。ダイヤの原石を探す努力は怠ってはいけないものだ。なお、駒沢大学は、前哨戦とも言える全国大学駅伝などで優勝するなど本命だったのだが、翌年のシード権を取れる10位以内にも入れないという低迷だった。勝負は水物とは言え非常に意外だった。

12月の都大路での高校駅伝も長野勢が活躍したが、広島で毎年開催されている全国都道府県駅伝では長野県は数度優勝するなど強い。また楽しみだ。

さて、昨年の秋に妻が図書館から借りてきた三浦しをん『風が強く吹いている』という関東大学駅伝に挑んだ無名ランナーたちを主人公にした大長編フィ クションは、妻が面白いよころというので、あまりの分厚さに辟易しつつ素人的な文章で始まり「何これ?」という感じで直ぐに読み始めたのだが、夕方から読み始めたところ、あまりにも面白くほとんど徹夜をして読んでしまったほど面白かった。

この面白さにはまった人が多いらしく、現在は(読んだことはないが)『ヤングジャンプ』という青年コミック誌で連載中のようだし、何とこれが今度映画化されることになったという話を聞いた。ネットで調べて見ると、現在エキストラを募集している。駅伝は日本の長距離選手育成にとっていいことかどうかは分からないが、駅伝は日本を熱くするスポーツであることは確かだと思う。

P.S. 日経ビジネスオンラインの「市場経済化する箱根駅伝」というコラムは、コラムニストが早大時代に瀬古選手から襷を受け取ったという経済小説家 黒木亮氏のもので、結構読み応えがあった。


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