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2009年5月15日 (金)

検事が列車内で痴漢容疑で現行犯逮捕、容疑認め釈放

新s あらたにす(日経・朝日・読売)で、この事件を読み比べることができる。

「被害者」(私人)による「現行犯逮捕」で、駅員に身柄を引き渡され、警視庁板橋署が駆けつけて逮捕したものののようだ。

14日木曜日の埼京線の上り線の板橋駅での停車中、午前9時半ごろ起きた事件ということなので、通勤通学乗客のピークは過ぎた頃で、身動きができないほどの混雑ではなかっただろうと思われる。

休暇中で朝から新宿方面に買い物に出かける途中ということで、あくまでも想像だがなんらかの心身の不調があったのかも知れない。

ただ、あっさりと容疑を認めたことで、勿論身元は「確か」なので、直ぐに釈放され、後日書類送検されることになったという。

そう言ういえば、少し以前、現役裁判官が高速バスで痴漢をはたらき、逮捕されたが、定年直前だったということもあり、弾劾裁判を受けないというような事件があったばかりだった。法曹関係者によるこの種の事件も最近目に付くようになったのが、嘆かわしい一方で、痴漢冤罪事件と日本の刑事捜査の不合理さをかんがみると、今回の事件の検事の場合には、容疑を否認してもらいたかったと(被害者の方には)不謹慎ながら思ってしまう。それによって、「痴漢」という日本独特の犯罪類型の捜査、裁判に世間の注目がより集まると思うからだ。
 *微罪でも容疑を否認すれば長期拘留される
 *「疑わしきは被告人の利益に」の近代的な刑事裁判の原則が簡単に踏みにじられる
 *やっていないことを自ら証明しなければならないという難問を 突きつけられるのは、暗黒裁判・魔女狩り裁判の特徴
 *通常は検察側が「容疑者」が犯罪を犯したことを主に物証を元に証明しなくてはならないのが常道なのに、被害者 の自白が唯一証拠でも「容疑者」が罪に問われる、悪くすれば有罪となる。

今回の容疑者である検事は、容疑を認めて早期釈放され、書類送検されても、おそらく被害者と示談が成立するなどすれば、起訴は見送られてしまうのではなかろうか?(この辺の手続きは不分明だが)。

また、地検、検察庁としては、内部的にどのような処分が行われ、この法律家が、今後どのような身分になるのかは分からないが、仮に「冤罪」だったとすれば、最後まで戦い抜いて無罪を勝ち取れば、検事としての身分の保証はあるだろうし、悪くても弁護士としてはやっていけたのではなかろうかと思ってしまう。

当の検事は、痴漢事件を担当したこともあると語っているということだが、もし本当に新聞で報道されていることが行われたとすれば、普通の意味では「魔がさした」としか思えない。

裁判員制度の実施までもう何日もない。この制度は、このような軽微な事件は対象とならず、より犯行程度が凶悪で、課される罰も重いものが多いようだ。が、このような「善良な」市民でも巻き込まれるような可能性のある事件についても、裁判員の判断を仰ぐ機会があってもいいのではあるまいか。殺人や傷害、重過失の事故など悲惨な事件だけではなく、このような誰でも陥る(陥れられる)可能性のある事件の裁判への裁判員の参加こそ、捜査制度の正常化、司法制度の正常化につながるような気がする。

少々、支離滅裂な論旨になってしまったようだし、当事者の苦悩も考慮せずに劇場的に見すぎているような感じもするが、今回の事件の報道を読んでのまとまらないながらも今日の感想としてアップしておきたい。後日また考え直すかも知れないが。

追記:例のJ-CASTニュースで、「痴漢冤罪の恐怖―『疑わしきは有罪』なのか?」(NHK出版)という著書がある元裁判官で現在弁護士へのインタビューを見つけた。この元裁判官による著書や、テレビでも放送された映画「それでもボクはやっていない」などで世間のこの種の冤罪への認知の広がりがベースにあって、今年4月の最高裁による防衛大学校の教授の容疑に対して逆転無罪判決が出されたのだと想像される。ただ、この事件にしても被害を訴えた女性が被害に遭ったことを全面的に否定しているわけではなく、どこかに真犯人はいることが当然推定されることが問題で、初動捜査の重要さとともに、実際にそのような不愉快を被っている人たちを守る女性専用車両なども取られているが、一部の路線で採用されているだけなので対応が不徹底だ。ただ、その効果は相当あるのではないか。警察、司法だけの改善ではなく、行政としての対応がより求められる。

以前にも書いたが満員列車内の不愉快事例は、このような「性的」なことでなくとも様々なものがあり、おそらくそれらのうちのいくつか(満員電車内で携帯電話を操作したり、本や新聞を読んだり、相変わらず遮音性の内ヘッドフォンで音楽騒音を撒き散らすことも、周囲の迷惑度という主観によっては)は「条例」違反となるはずのものだろうが、おそらくそれらは受忍限度とかいう理論で逮捕も起訴されることもないことと思うが、これも法の下の平等という原則から言ったらおかしな話だろう。

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