新型インフルエンザの水際防疫と小正月の道祖神・塞の神の祭り
小正月に全国各地で行われる道祖神祭りだが、小学校6年間、その行事に参加したのはいい思い出になっている。
道祖神といえば、信州の松本平の北方の安曇野の男女双体の石造の道祖神がよく知られてはいるが、道祖神を別名、塞の神(さいのかみ、さえのかみ)、つまり遮る神、ふさぐ神とも呼ばれ、災いや疫病が村境から村内に入って来ないように防御して欲しいという願いを受け止める神でもあったようだ。
その道祖神を祭る祭礼が、なぜ厳寒の小正月(太陽暦ならば大寒の直前、太陰暦の1月15日でも立春の直後で厳寒には変わりない)に行われるのか、謎だった(といっても文献に当たったわけではない)が、今回の空港や航空機内での水際防疫に勤しむ厚生労働省主導の活動を見ながら、まさに村境を守る道祖神的な発想がまだ残っているのかも知れないと連想が働いた。
元々小正月の火祭りは左義長という小正月に行われた宮中行事が起源だとされているが、その起源である祭りにも病気払いの意味があったという。
私が子どもの頃にその先輩達から伝承した道祖神の祭りが、いつごろからその村に伝わったものかは知らないが、ご神体を納める小さな祠は、相当古いものだった。(崩壊しそうだったので、村の鉄工所のおじさんが、鉄製の立派な祠を奉納したほどだった。)
季節的に考えると、小正月の厳寒期は、今ほど人の往来が激しくなかった明治や江戸の頃でさえ、感冒が流行ったもので、おそらく当時の人も、感冒は外部の人やものと一緒にやってくるものだと想像したように思われる。そこで、その災いを招かないように、塞の神の祭りを、小正月に行ったものではあるまいか?
全国各地に小正月行事としての火祭りは様々な名前で伝えられているようだが、疫病は外部から来るもの、特に江戸時代末に流行したコレラ(コロリ)は、その思いを浸透させていき、その記憶がいまだに日本人には強く「遺伝」しているのかも知れない。
日本政府と国民の反応が世界的にも奇異に見られているが、、国外で発生した伝染病が国内に入るのを非常に神経質になる一つの要因なのかも知れない。
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