« 2010年が記念年の作曲家 | トップページ | この冬初めての本格的な雪 »

2010年1月31日 (日)

池上彰氏の「そうだったのか!」シリーズ が面白い

NHK週刊こどもニュースを立ち上げ、現在では多方面で活躍中で、このブログでも時々言及している池上彰氏のことをネットで調べたら、相当膨大な著作をものしていることを知った。

(私は既に脱退したが)例のAmazonというネットショップの書籍の読者レビューでは相当評判が高いようだ。特に、『そうだったのか!中国』(発行ホーム社、発売集英社)については、現代中国史がこれほど明快に分かりやすく書かれたものはないのではないかと書かれており、興味を持った。

ブックオフなどの古書店にはまだ池上氏の著書はほとんど出回っていないようで、新刊書を売る普通のメガ書店で、店頭のタッチパネル式の在庫検索サービスで著者名をキーにして調べると、集英社文庫から数冊発行されていて、在庫もあるということだった。そんな中で、まず『そうだったのか!アメリカ』(集英社文庫、定価本体705円)を求めてみた(書店のポイントカードでポイントが溜まったので100円引き)。

もうほとんど内容を忘れてはいるが学生時代に英語による『アメリカ政治史』をとったこともあるし、先日のアメリカ建国当時の歴史を読んだり、この本にも出ている参考書のいくつか(本多勝一、司馬遼太郎など)にも目を通していたり、日々の報道で接していたりして、それなりに概要はわかっているつもりの国ではあるが、テーマをいくつか設定した切り口で、この大国をわかりやすく説明していて、大変面白かった。

また、昨日、久しぶりに市立図書館に用があり、図書館で蔵書を調べたところ、上述の『そうだったのか!中国』が意外にも相当大きな版のペーパーバックで書架にあり、早速借り出し手続きをして、読み始めた。

2000年頃から2003年頃まで仕事上の関係で2回ほど江蘇州を訪れたこともあり、当時の比較的親日的な雰囲気を覚えていたので、その後の反日暴動やサッカーアジアカップでの異様な反日の雰囲気などに対しては違和感を覚えていたのだが、その政治的な理由なども明確にこれに書かれていた。(以前、政治的な文脈など分からずに書いたアジアカップの記事はこれ。報道姿勢への疑念は今で変わらないが、作られ、用意された「反日」への洞察が我ながら欠けていた。東欧民主化の年であり、天安門事件の1989年の翌年の1990年から中国では、大学生に軍事訓練、中学高校では愛国教育が行われ、それが「反日」容認の党の態度表明により、2004,2005年の反日暴動が中国全土に飛び火したということのようだ。)

やはり学生時代に(この本でも触れられている)エドガー・スノウの『中国の赤い星』の日本語訳を、結構面白く読んだ記憶もあったが、その後の中国現代史については書籍を求めて通読することもなく、大躍進や文化大革命についてもNHKテレビドラマの『大地の子』(山崎豊子原作)程度で断片的にしか知らず、毛沢東死後の少々内幕ものの醜聞もの的な本の見出しや広告でその治世の様々な矛盾などを知っていた程度だった。そのようなことや先日書いたチベット仏教美術の中国政府による展示の問題も含めて、この一般向けの解説書は、立場的には比較的偏りがなく書かれていて、大変ためになった。

文化大革命世代(当時十代だった世代で、2007年当時には50代から60代の世代)は、中国では失われた世代と言われているようだが、ちょうど自分よりも少し上の年代であり、日本の団塊の世代と同年代になる。その後の四人組の失墜から鄧小平の復権、そして現代へと、自分の少年、青年時代に重なり、断片的な情報が蓄積されてはいたが、それらも相当整理された感じで頭に入った。台湾問題については、今日付けの朝刊で、アメリカが台湾に武器供与をすることに対して、中国が反発を強めているという報道があったが、その背景をこの本で通史として知ることで、ことの重大性が分かるように感じた。また、香港(マカオの返還が香港よりも遅かった理由も)の返還についても、分かりやすく書かれていた。

現在、集英社文庫のシリーズで、『そうだったのか!現代史』『現代史パート2』『日本現代史』も入手可能。文庫本としては2007、2008年に出版されたものだが、単行本としては、2000年ごろに上記のホーム社から出版されたもので、最新情報としては少し古いが(2007,2008年当時の付記、追記はあり)、中学、高校でも「はしょられる」ことの多い現代史についての副読本として使われてもいいような内容のようだ。これらについては、また読後感を書いてみたい。

ウェブでの連載もあり。

池上彰のウェブでの連載2005年: ニュース@イー・ウーマン

(この中の長文の対談記事は、池上氏がこのような啓蒙書を猛烈に書いている理由、動機がよく分かる内容になっている。)

現在読める連載を見つけた:Newsweek斜め読み

|

« 2010年が記念年の作曲家 | トップページ | この冬初めての本格的な雪 »

ニュース」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

歴史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/37411/47437951

この記事へのトラックバック一覧です: 池上彰氏の「そうだったのか!」シリーズ が面白い:

« 2010年が記念年の作曲家 | トップページ | この冬初めての本格的な雪 »