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2010年2月16日 (火)

リヒテル リスト ピアノ・ソナタ ロ短調 1966年 リヴォルノでのライヴ

Liszt_piano_concertos_sonata_richte PHILIPS 446 200-2 という番号のCDを入手。

LPでよく聴いたリヒテルとコンドラシンによる有名なスタジオ録音のリストの2曲のピアノ協奏曲のCDだと思って中古店で廉価で購入したところ、ピアノ・ソナタ ロ短調 も収録されていた。このCDは、Made in USAで、録音年や録音場所などの記載はなく、名曲名盤などのリストにも載っていない録音だったのでネットで調べてみたところ、日本語の情報はヒットせず、海外のサイトには情報が豊富だった。

米アマゾンの情報によると、リストのソナタは、1966年の録音らしい。

また、このmusicweb-international.comの情報 では、このレビュアーのお勧めではあるらしい。

Sviatoslav Richter’s analogue account on Philips Classics Solo 446 200-2 is also one that I admire. Richter provides plenty of weight and passion but rather lacks the poetry of some rival versions. The 1966 live Livorno recording contains general audience noise that might cause annoyance to some.  

このリストのソナタの完全ディスコグラフィー(フランス語で、特殊文字が文字化けしていて読みにくいが)によると

Richter [4]

ø Concert Livourne, 21 novembre 1966 - CD : Philips 454 545-2 / "Solo" 446 200-2 (+ Concertos. La Sonate est notée : 1988) / 438 620-2
10 Rép. n° 83 / 5Y Diap. n° 420

« [Cette version de la Sonate, comme toutes les interprétations Liszt de Richter, laisse pantois en bien des points : le] ton impérieux, le contrôle et l'ampleur dynamique, la recherche du détail (qui va loin, très loin, mais sans aucune maniaquerie) [...] le poids phénoménal du geste pianistique. » (Ch. Huss, Répertoire n° 83)

ということだ。

別のディスコグラフィー(英語)によると、

Sonata in b, S 178  

  • (Carnegie Hall, New York, 1965 )    
    • Private Recording P-101 (LP) [ labelled Carnegie Hall, New York, 18 May 1965 ]    
    • Melodiya M10 47287 (LP, 1986)    
    •  Philips 422137 (CD) [ labelled Budapest, 1960 ]
      (望 岳人注: 1960年ブダペストとCDかブックレットにクレジットされているという意味だろうか?不思議だ)
     
  • (Moscow, 12 October 1965) on Brilliant Classics 92229/3 (CD)  
  • (Aldeburgh, 21 June 1966)    
    • Discocorp RR 454 (LP) [ labelled Budapest, 11 Feb 1958 ]    
    • AS Disc 342 (CD) or 345 (CD) or Historical Performers HP 26 (CD)    
    • Bianco e Nero BN 2433/2 (CD)    
    • Classica d'Oro CDO 3007 (CD 2001)    
    • Legend LGD 145 (CD)    
    • Music & Arts CD-600 (CD)    
    • Music & Arts CD-760 (CD) [ labelled Florence, 1971 ]    
    • Memories HR 4218 (CD)    
    • Nuova Era 013.6340 (CD)    
    • Seven Seas / King Records KICC 2267 (CD)    
     
  • (Livorno, 21 Nov 1966) on Philips 438620 (CD) or 446200 (CD) or 454545 (CD)  
なお、日本語のリヒテルファンの方のサイトによると、このイタリアのリヴォルノの録音については触れられていないが、

1965年5月18日 ニューヨーク カーネギー・ホール リストのピアノ・ソナタを演奏

『私がカーネギー・ホールでリストのソナタを演奏したとき、私たちのアメリカでのマネージャーであるヒューロックはニューヨークの新聞各紙の音楽批評家を ひとりも招待しなかった。それで演奏会は大変な成功だったのに完全に知られないまま終わってしまった。リストの作品を集めたこの録音は、いくつかの録音技 術上の不備が理由で長いこと発売されないでいるが、本当にうまくいった演奏のひとつである。私自身楽しく聴き返す。これはそうそうないこどた。』(「音楽 をめぐる手帳」1981年1月8日 『リヒテル』380㌻)  CD は、 PHILIPS 422 137-2

という録音もあるようで、これはどうも上記の英語版のディスコグラフィーによると、プライベート盤LPの板起こしらしい。リヒテルの自伝にもこの演奏会のことは満足のいくものとして触れられているようだ(「気ままな生活」blog )。

要するに、今回入手したCDのピアノ・ソナタ ロ短調の録音は、1966年11月21日、イタリアのリヴォルノという町でのコンサートのライヴ録音とのことだ。1915年生まれのリヒテル51歳。1960年の西側デビューから丸6年を経過した頃。実際に、聴衆のノイズなども収録されている。録音は、モノーラルという表記はないが、ピアノの音が広がらず中央に定位する。歪感はほとんどない。

さて、肝心の演奏だが、これまで主に親しんできたツィメルマンの精緻で磨きぬかれた演奏・解釈との比較になるが、まずは、ライヴということもあるが、初めのうちは多少ミスタッチめいた音も散見される。

それでも全体の大づかみの把握がしっかりしているのだろう、一つの曲として分裂さを感じさせぬ統一感が表現されている。

低音の強打ではピアノが十分に応えきれないほどであり、また、ロマンチックなメロディーは、耽美的とも言っていいほどの美しいピアノの音色で奏でられる。

こういう錯綜した怪物的な標題楽のような作品を高い集中力をもって飽きさせないところに、リヒテルの懐の深さ、大きさを思い知らされる。

追記:2010/2/17 ツィメルマンの録音を久しぶりに聴いた。少し生硬な感じはするが、細部まで緻密でありながらピアニスティックな効果を最大限に出したすさまじい演奏だと改めて思った。録音も非常に優れている。ただ、凄いのは凄いのだが、リヒテル的にガシっとこの大曲を大づかみにするという点からみると、少しリスナー側の集中力が途切れることがある。クリフォード・カーゾンの録音(ヴィーンのゾフィエンザール録音1963年とのこと)も併せて聴いた(DPM所収)。こちらはツィメルマンほど磨きぬかれた演奏ではないが、ブリテンとのモーツァルトの20番、27番のピアニストとは思えないほどアグレッシヴな部分もある演奏だった。

追記:2010/4/15 リストのピアノソナタの聴き比べを開始されたBlogOutさんが、これと同じCDを入手されたとのことでピアノ協奏曲の方を記事にアップされていたのを拝見し、トラックバックさせてもらい、改めてピアノ協奏曲を聴いている。私のLPは廉価盤だったが、フォンタナではなかったように記憶している。比較的明瞭な音だった。CDはステレオイアフォンで聴くには少しハイあがり的だが細部まで明瞭な凄い録音だと感じた。

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