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2010年2月22日 (月)

「6つのナポレオン」の‘idée fixe’

『シャーロックホームズの帰還』を、少し原文テキストを参照しながら読んでいたところ、少年時代から馴染みのあった『6つのナポレオン像』の中に興味深い表現を見つけた。

ベルリオーズ作曲の『幻想交響曲』の独創的な技法、『固定楽想』という言葉 idée fixe が、何とこの短編の中に下記のように登場するのだ。

“There is the condition which the modern French psychologists have called the ‘idée fixe,’ which may be trifling in character, and accompanied by complete sanity in every other way. "THE SIX NAPOLEONS" from "The Return of Sherlock Holmes"

「現代フランスの心理学者が『固定観念』と呼ぶような状態があります。それは性質としては取るに足らないものですが、その他のあらゆる点では完全な正常さが伴っているのです。」というような風ワトソン博士の台詞として、一種の偏執の説明の中に登場する。

よくできたフリーの全訳サイト 「コンプリート・シャーロック・ホームズ」を発見。その中の該当箇所の原文は姉妹サイト「原文で読むシャーロック・ホームズ」のここ。なるほど、conditionは、症状か。だが、idée fixe をそのまま「脅迫症」と訳すのはどうだろうか?)

1904年に発表されたこの『6つのナポレオン』の当時、ドイルが書くようにその頃以前のフランスの心理学者が唱えていたのだろうか。

ベルリオーズの幻想交響曲1830年作曲なので、心理学用語としてそれ以前から用いられていたのか、それともベルリオーズがidée fixe という技法を使った際は一般的な日常語だったのか、もしくは、ベルリオーズのこのidée fixeによって、その後の心理学者たちが一種の偏執、妄想、固執をこの用語で表したのか、その辺の順序や真偽は分からないが、もしかしたら、フランス皇帝「ナポレオン」の胸像を扱ったこの短編で、ドイル得意の音楽知識を披露したのかも知れないなどとも思った。

Pretre_symphonie_fantastique_velrkl 音楽は、ジョルジュ・プレートル指揮ヴィーン交響楽団(Wiener Sinfoniker, Vienna Symphony Orchestra 1985年録音) の幻想交響曲

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