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2010年2月 9日 (火)

ミステリーを幾冊か

日曜日の寒風の中を出かけたのが原因か、熱が出て月曜日と今日仕事を休んでしまった。今日は熱も落ち着いてきたので、本棚の奥からミステリーを何冊か取り出して読んだ。

天藤真の『大誘拐』(創元推理文庫)。1978年に書き下ろし刊行されたもので、第32回日本推理作家協会賞を受賞しており、傑作ミステリーとして評価の高いものだ。ちょうどこのように風邪をひいて休んでいるときに読むことが多いような気がする。文句なく面白いのだが、この中に登場する財産や利息、税金に関する計算が正しいものなのか、どこかで検証は行われているのだろうか?また、あとがきに書かれているのだが、この2年前の1976年に公開された映画『喜劇 大誘拐』(前田陽一監督 森田健作など)が老婆を誘拐した犯人達が老婆に操られるという設定を持っているということで、その点から盗作問題があったというすっきりしない余談もあるのが指のササクレのように気になる。

新潮文庫版の『シャーロック・ホームズの冒険』(延原謙訳 この文庫版ではThe Adventure of the Engineer's Thumb - 技師の親指 と The Adventure of the Beryl Coronet - 緑柱石の宝冠は、別巻に収録)も読んでいるところだ。延原謙氏の翻訳はところどころ古い言葉遣いがでてきて少しとまどうが、概ね躓くことなく読み進められる。今回久しぶりに読み直して面白かったのだが、ワトスンが関らなかった興味深い事件(「ボヘミアの醜聞」で言及されているウクライナのオデッサでのトレポフ殺人事件、トリンコマリーのアトキンスン兄弟の奇怪きわまる惨劇、オランダ王室関係の難しい使命など)、「オレンジの種五つ」で言及されている1887年の「パラドールの部屋」事件、「素人乞食協会」事件、三檣のイギリス帆船ソフィ・アンダースン号の喪失に関する事件、アファ島におけるグライス・ピータースン一家の怪奇な事件、カンバウェル区の毒殺事件といった、「ワトスン博士の手記」(ホームズシリーズ全60篇)に含まれていないと思われる事件が多数述べられているところだ。(まとめサイトがあった。パスティーシュpastiche もいくつか出ているようだ。)

この他には、アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』(清水俊二訳、ハヤカワ文庫)も取り出してみたが今回は未読。

音楽は、ベネディッティ=ミケランジェリによるドビュッシーの前奏曲集第2巻を聴いた。

ミシェル・ベロフ(EMI盤)、サンソン・フランソワのCDも聴き、特にベロフ盤は何度も耳にしたのだが、この第2巻がこれほど印象に強く、面白く感じられたのは、このミケランジェリ盤が初めてだ。淡い中間色がほとんどない、原色に近い明瞭なピアノにより演奏されるドビュッシーはユニークだが、面白い。

Debussy_prelude_2_michelangeli

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