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2011年1月29日 (土)

佐藤多佳子 『一瞬の風になれ 1イチニツイテ 2ヨウイ 3ドン』、『黄色い目の魚』 

2010年は、日本でスマートフォンの普及がこれほど急速になるとは思われず、勤務先の再編もあり、4月から9月までの期間、長年通いなれた通勤経路より、倍以上かかる勤務地で勤務していたこともあり、生活のリズムも変わり、ブログでの投稿は大幅に減ったが、その間は特に読書に相当勤しんだ。

しかし、ブログの下書き記事としては、タイトルの入力はしても、記事を書き起こす気力が湧かずにそのままにしていたものが多かった。

昨年10月以来の再度の勤務先変更からようやくリズムも落ち着いてきたので、その当時記事にしようと思っていたものを、前回の『神曲』から少しずつアップしてみようと思う。

ここ数年、行きつけの本屋では、その本屋の店員さんたちが投票して決める「本屋大賞」なる賞が相当目に付くようになってきているが、この佐藤多佳子の三部作『一瞬の風になれ』も数年前の本屋大賞の上位に食い込んだ小説のはずだ。

妻が、数年前に図書館から第1巻を借りてきたのを借りて読んでみたところ、一人称の言葉遣いがとても新鮮な青春スポーツ小説で、面白かった記憶があった。昨年の6月、7月は会社の帰路に本屋に立ち寄るのが習慣になって自分としても読書ブームとなっていて、その続きの第2巻のヨウイ、第3巻のドンも読んでみたら、やはり大変面白かった。シリトーの『長距離走者の孤独』が私の高校生時代には、新潮文庫のリストでよく目に付いたものだったが、この三部作は副題が、『短距離走者の青春』ともいうべき小説で、神奈川県の公立高校の陸上部での青春模様が詳しく迫真的に描かれている。箱根駅伝をテーマにした三浦しをんの『風が強く吹いている』 も面白かったが、何かこのようなスポーツものや音楽もの、芸術ものの青春小説、コミックが最近の自分にとってはどうやらツボのようだ。

『一瞬の風になれ』は昨年の読書だが、『黄色い目の魚』は同じ作者の小説で、やはり妻が借りてきたもの。今日数時間で一息に読んで面白かった。こちらは新潮文庫から出ている。これも主人公たちの一人称の語り(心の声)的な構成で、どうやらこの作家はこの作法が得意のようだが、流行の言葉でいうと登場人物のキャラが立って(性格や容姿の描き分けが巧いということ)おり、物語の世界にスイスイ入っていけた。

自分の子ども達がそのような年代になるこの歳になって、どうも青春小説づいている(コミックにしても『君に届け』!)ようで、自分ながら不思議なのだが、この小説は印象が強く残る小説だった。

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