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2011年1月31日 (月)

誉田 哲也『武士道』シックスティーン セブンティーン エイティーン

これも昨年の夏に読みきった3部作。『一瞬の風になれ』は男子高校生の短距離走者たちの青春を描いたものだったが、こちら『武士道 シックスティーン』から始る三部作は、女子高校生の剣士たちの物語だ。シックスティーンは16歳。そして17歳、18歳と二人の対照的な剣士の友情と戦いが描かれる。これも、文体的には、一人称の独白なのは『一瞬の風になれ』と似ているが、こちらは二人の主人公が、交互に物語を紡いでいく。陸上の方は神奈川県の公立高校がモデルだったが、こちらは同じ神奈川ながら桐蔭学園の女子部をモデルにしたもので、身近な地名が登場するのも興味をそそる一因にはなっている。

作者の誉田哲也(ほんだてつや)は、このような青春モノよりも推理小説の方がよく知られている作家らしいが、私はこの作品から入ったので違和感は感じなかった。ここまで剣道バカのムスメが実在するとは思えないけれど、対照的な性格造型がなかなか決まっていた。昨年もベストセラーになった村上春樹の『1Q84』も、同じく二人の主人公を交互に綴っていく構成で、自分自身大昔に文学少年だった頃に、そのような構成の小説が書けないかなどと思ったこともあったので、この両面的な書き方は、二重螺旋のようでもあり、結構使えるのかも知れない。

この作品はそこそこ読まれたようで、映画化もされた。それも成海璃子と北乃きいという旬の若手女優により香織と早苗の二人の少女剣士が演じられたようなのだが、ただあまりヒットしなかったようで、上映館も少なく、まだ見てもいない。剣道ブームになったという話も聞いていない。それでも自分にとっては相当面白かったのは、自身が少年の頃少し剣道を習ったことがあったからかも知れない。広くて浅くでも、いろいろ経験しておくのも悪いことではなかったようだ。

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