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2011年7月11日 (月)

2011年本屋大賞ノミネート作品のいくつかを読んでみて

2011年4月に発表された2011年の本屋大賞 http://www.hontai.or.jp/
サイトからコピペしてみたが、このリストの本は結構読んだ。読んでいないのが、3、4、6、7位でそのほかは全部読んだ。妻が図書館から借りてきたものだ。

10位と9位は、このブログの別記事で簡単すぎる感想をアップしたが、この作家で気に入ったのは、もっとも甘ったるいと言われている『植物図鑑』で、次点が『キケン』と『阪急電鉄』。

8位は、つい先日読んだばかりだ。信州松本が舞台の、民間病院に勤務する若き内科医の物語。枝葉末節を省けば、現代の日本の医療は、勤務医たちの過重労働によってかろうじて支えられているというもの。「細君」は、辞書によれば自分の妻を呼ぶ言葉とのことで、謙譲語のようだが、他人の妻を呼ぶのにも使うので、漱石フリークの主人公とは言え、語感的に違和感があった。また、御嶽山に登山するときに、南アルプスが言及されたが、北アルプス最南部か、中央アルプスなのではなかろうか?

5位は、昨年生誕200年だったが、ショパンとかぶってしまい、陰に追いやられた感のあったシューマン(没後150年も、モーツァルトの生誕250年とかぶった)の音楽を重要な素材にしたミステリー小説。この作家はテレビでもシューマンの熱狂的なファンということを語っていて、実際この小説にも自己紹介に恥じない濃さがあったが、小説の構造自体があまり気にいらなかった。詳しくは別記事で取り上げてみようと思っているが。

第2位は、昨日読み終えたばかり。テーマ的にはとても深いのだが、題材が少々ポルノグラフィー的でアブノーマルな部分もあり、R18指定の女性向け小説で賞をもらったように、中高生には読んでほしくないものだ。女性作家だが中上健次的な猥雑さにひるむところがないようだし、助産院での出産や産婦人科医の減少の問題も的確に扱われている。文章や構成も上手く、重いテーマを扱っているわりには後味は悪くなかった。

第1位は、書店に山積みになっているが、前に読んだ。なかなか考えられたトリックがあって面白くはあったが、少々否定的に言うとライトノベル的な小説で、執事とお嬢様というコミックにはよくあるベタな設定が類型的で少々鼻白んだ。ここまで書店員の人たちの評価が高かったのは、不思議だ。売らんかな主義の悪い点が出てしまったのではなかろうか?

本屋大賞のサイトをザットみたら、以前読んで面白かったものも掲載されていた。『映画篇』は、妻購入の文庫で読んだのだが、期待していなかった分、相当感心した。

2011年本屋大賞の受賞作発表
順位書籍名/作家得点
大賞 『謎解きはディナーのあとで』
著/東川篤哉(小学館)
386.5点
2位 『ふがいない僕は空を見た』
著/窪美澄(新潮社)
354.5点
3位 『ペンギン・ハイウェイ』
著/森見登美彦(角川書店)
310点
4位 『錨を上げよ』
著/百田尚樹(講談社)
307.5点
5位 『シューマンの指』
著/奥泉光(講談社)
270.5点
6位 『叫びと祈り』
著/梓崎優(東京創元社)
263点
7位 『悪の教典』
著/貴志祐介(文藝春秋)
259.5点
8位 『神様のカルテ2』
著/夏川草介(小学館)
259点
9位 『キケン』
著/有川浩(新潮社)
241点
10位 『ストーリー・セラー』
著/有川浩(新潮社)
202点

2008年5位 『映画篇』 著/金城一紀 (集英社)

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