« 他山(たざん)の石(いし)以(もっ)て玉(たま)を攻(おさ) むべし | トップページ | 痛風の痛みはきつい »

2011年7月31日 (日)

中国高速鉄道事故とその周辺記事を読んだ

ネット記事を拾い読みしていたら、Diamond Online の「China Report 中国は今」という連載記事が目に留まって読んでみた。

少々醜聞的な内容ながら、

【第79回】 高速鉄道事故の陰に腐敗と安全軽視 “鉄道金脈”を食い物にした男と女  は、今回の事故につながる背景・経緯が詳しくまとめられていた。

併せて 「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」【第63回】 中国高速鉄道事故で国民が鉄道部に怒り狂う背景には、これだけの伏線がある を読んだ。

これらに書かれている中国鉄道部(鉄道省)のような組織は、強大化・閉鎖性と、なりふり構わぬ私欲追求が今回のような巨大システムでの事故として現われたという点で、日本の原子力村と共通しているように思われた。

原子力村では、福島第一原発の見通しのつかない放射線漏れだけでなく、それが全国に蔓延して、ついにはいかにも公平でござい然の姿をNHKが強力にプッシュしていた現佐賀県知事(実は九州電力一家)のやらせメール誘発の愚行までにつながる巨大なモラルハザードと共通しているように思えた。

(菅首相の玄海原発の再稼働のストレステストによる延期に対して、佐賀県知事とNHKの21時のキャスター氏はたいそうな剣幕でかみついていたが、その背景には運転再開を日程に入れた陰の動きがあったというわけだ。あのときのNHKのキャスター氏の感情的な反応は、正義感からと見るのは苦しく、見その背後にあるものをうかがわせるに十分だった。)

そして、中国高速鉄道の前記の記事に関連して、これまでときおり気になっていた東北大学総長の疑惑について、中国人留学生からの観点から切り込んだ 【第78回】 魯迅ゆかりの東北大学で研究不正疑惑に失望する中国人留学生たち が目にとまった。

井上総長による異常に多い論文の数が目を引く。  井上氏が東北大学総長になったのは06年11月。東北大学のHP「研究者紹介」によれば、2011年までに合計2784本の論文を書いたとされている(6月24日現在)。同総長は05年までの登録数ですでに1900本の論文実績があることから、総長就任以後06~11年の5年間で書いた本数は800本に上ることがわかる。年平均にして約160本、1週間に換算すれば約3本以上を書き上げる、超人的大量生産ぶりである。  これにはさすがに「私は勤続40年になるが、40年で95本の論文を書くのが精一杯だった」と呆れる教授もいるが、さて、この超高速大量生産を支えた舞台裏はどうなっているのだろうか。そこには、裏方として疑惑に巻き込まれた中国人留学生の存在がある。

たとえが悪いがオランダ絵画の巨匠レンブラントの工房では弟子たちが絵画制作を手伝ったという。それ以前、イタリアルネサンス時代でも、ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリが、それぞれ著名な工房で弟子として活動を始めたというし、このような徒弟制度的な職人工房は洋の東西を問わず、広く広まっており、創作者として名前が顕現することを望むような考え方は、このルネサンスを経由してからなのではないかと、乏しい知識で考えている。

しかし、個人の創意工夫を尊重し保護する著作権制度が確立された現代でも日本の漫画界(その作品の多くを楽しませてもらいつつではあるが)では多くのアシスタントを駆使した作品が漫画家の個人名のみで出版されている。まさにそれと同様の名誉や金銭の独占が知的エリートによって構成されている研究現場、学会でも大々的に行われているということなのだろうか。そして、そこに中国からの留学生が巻き込まれているかもしれないというのは、日本における低賃金労働制度に頼るアウトソーシングの象徴であり、また私欲がどこまで肥大するのかという悪しき自己実現の蔓延が現代を覆っている象徴に思われてならない。

|

« 他山(たざん)の石(いし)以(もっ)て玉(たま)を攻(おさ) むべし | トップページ | 痛風の痛みはきつい »

サイエンス」カテゴリの記事

テクノロジー」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/37411/52353445

この記事へのトラックバック一覧です: 中国高速鉄道事故とその周辺記事を読んだ:

« 他山(たざん)の石(いし)以(もっ)て玉(たま)を攻(おさ) むべし | トップページ | 痛風の痛みはきつい »