船曳由美『100年前の女の子』(講談社)
先日、島崎藤村の『夜明け前』第2部をようやく読了した。藤村が父の人生を縦軸にこの大作を描き切ったということからの連想で、昨年購入して読んだこの本のことを思い出した。(2010年6月14日第1刷発行、2010年12月1日第7刷発行)
これは、船曳由美という編集者が、自分の母親の一生を聞き書き的にノンフィクションとして描いたもので、今から約100年前の1909年に生れ、2009年に100歳を迎え、まさに20世紀を生きた「女の一生」とも言うべき作品。
書籍の帯にあったように、当時の栃木、群馬県境の庶民の生活を詳細に描いたという点で、民俗学的にも貴重なものだろうと思った。
丸谷才一(毎日新聞書評より) 民俗学的な記録、住民の風俗の描写、動物たちの生態の思い出など、まことに楽しい。しかし最も印象的なのは、健気な女の子の母恋いの物語だ。
新しい「遠野物語」の誕生
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