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2011年9月16日 (金)

NHK 「オオカミはこうしてイヌになった」 で考えたこと

このブログでは、以前からオオカミネタを書いてきたが、最近見たテレビ番組で驚くべきことを見聞した。調べてみると以下にあるように以前から知られていた話のようなのだが、びっくりした。

なんと、ロシアでは、イヌのように人に馴れたキツネが飼育・繁殖されており、実際にそのようなキツネをイヌやネコと一緒に家で飼っている人がいるのだ。キツネは、イヌともネコともフレンドリーに触れ合って暮らしていて、イヌやネコの方もキツネに対してまったく違和感を覚えていないようで、悠然と振舞っていた。

この番組のレポーターの生物学者の福岡伸一氏が番組内で確か語っていたと思うが、家畜化する、家畜化される ということは、よりネオテニー化するということらしいのだ。

Google + の投稿

  ここで書かれた、エピジェネティクス という考え方が重要なようだ。

エピジェネティックスとは分子生物学を考える上での基本的方向転換である。DNAは確かに生物を作る基本骨格であるが、DNAの情報はDNAの上を覆う化学物質の層にコントロールされているのが次第に明らかになった。(生物学を変えるエピジェネティックス
By Stephen S. Hall | NEWSWEEK ニューズウィークマガジーン 2009年7月13日号から)

ネオテニーの身近な例では、野良ネコが、「飼われているネコ」のように「ニャーニャー」鳴かないのは、野良ネコが家畜化されていないがゆえに、ネオテニー化していないことのあらわれのようだし、最もよく「家畜化」された動物である「人間」が極端にネオテニー化しているのもそのあらわれなのだろう。日本発とされるなんでも「かわいい」で形容する心理傾向も、大きな流れではこの一環なのかも知れない。

ナショナル・ジオグラフィック日本版 2011年3月号のWEB記事に、このNHKの番組の元になったような相当詳しい記事が掲載されていたのを見つけた。

Taming the Wild (直訳:野生動物を飼いならすこと) 野生動物 ペットへの道

http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/1103/feature01/ 以下5ページまである。

この記事を扱ったブログ:参考サイト:

http://karapaia.livedoor.biz/archives/51575413.html 2009年の記事

http://www.kotaro269.com/archives/51037540.html 2010年の記事

 参考:NHKの番組について書かれた記事

NHKの公式サイト http://www.nhk.or.jp/inochi/archives/archive110826.html

 (ちなみに これに関係がありそうなものでは、プードル-小型化の遺伝子- 9月28日(水)午後7時30分~7時59分 が放映されるらしい。)

Wikipedia イヌの起源

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90

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さて以下、相当本筋から逸れるが、ナショナルジオグラフィックの原題で使われたtameという英語【形容詞では、人になれた(反意語はwild)で、動詞では飼いならす、服従させる】で思い出したのは、2007年6月12日 (火) ETV特集・選「“星の王子さま”と私」 で触れたこの物語のひとつのキーワードである フランス語 apprivoiser という動詞 のことだった。

この単語の日本語訳については、議論百出のようで、google で検索しても

http://www.google.co.jp/search?q=apprivoiser+%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E6%A7%98&hl=ja&rls=com.microsoft%3Aja%3AIE-SearchBox&rlz=1I7FTJA_jaJP400JP400&biw=961&bih=437&sa=2

のように沢山でてくる。

その中に上記のETV特集で登場した 池澤夏樹氏のこの言葉に関するインタビューも読める。

「その言葉を、その言語では、どう定義しているのか。たとえば『星の王子さま』に出てくる、とても重要なキーワードにapprivoiser(アプリヴォワゼ)があります。僕は“飼い慣らす”と訳しましたが、日本語の飼い慣らすとは、少し違う。そのまま対応する言葉が、日本語にはないんです。飼い慣らすというのは、上下の感覚があるでしょう。上に立つものが下にいるものを飼い慣らすという。アプリヴォワゼは、その感じがあまり強くありません。積極的に働きかけて、よき仲を作ろうと意志する、みたいな感じかな。“仲良くなる”というのとも違うんです。“仲良くなる”のは、ほっとけば自動的になるわけでしょう。そうではなく、仲良し関係を育て上げる、というような。仲良くなることを提案して、実行して、仲良しになる……こうやって説明していくとキリがないんですけど(笑)」

また、2008年04月28日19:29 カテゴリ「星の王子さま」におけるapprivoiserの考察 というものもあった。

さらに、その訳語についての検討記事もあった。

2011/2/11 apprivoiser を「飼いならす」と訳したのは本当に誤訳なのだろうか?(星の王子さま) 

(その元になった比較サイト 新 訳 比 較 apprivoiser星の王子様総覧) )

星の王子さま「飼いならす」は誤訳とはいえない(パート2)

ところで、英語では、tame のほかに domesiticate 家畜化する 飼いならす があり、ラテン語domesticus (domus家+-ticus=家の) 由来の言葉らしい。上記の「誤訳なのだろうか?」では、イタリア語訳では、このラテン語由来の言葉を使っているらしいが、これには問題ないのだろうか?

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