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2011年10月31日 (月)

書店店頭ワゴン売り315円のロイヤルフィルシリーズ

1. ホルスト 「惑星」「セント・ポールの組曲」 (ヴァーノン・ハンドリー指揮)1993年録音

2. ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界から」、「謝肉祭」序曲、スケルツォ・カプリチオーソ (パーヴォ・ヤルヴィ指揮) 1994年録音

3. チャイコフスキー 「ロメオとジュリエット」序曲、「イタリア奇想曲」、「エフゲニー・オネーギン」からワルツとポロネーズ、 「1812年」序曲 (ユーリ・シモノフ指揮) 1994年録音

4. R.シュトラウス 「ツァラトストラはこう語った」、「ドン・ファン」、「ティル・オイゲンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (チャールズ・マッケラス指揮) 1995年録音

オーケストラは、いずれも ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

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1 評判を目にして、最寄りの書店のワゴン売りの棚を探したら売っていたので、購入してみた。相当以前から目にしていたシリーズだが、あまりに廉価なのと、当初はなぜ指揮者名がクレジットされていないのだろうと思って胡散臭く感じていたので、安かろう悪かろうだろうと購入をためらっていたものだったが、実際に聴いてみると、上質な演奏と録音で、驚かされた。また、指揮者演奏家も分かりにくいが印刷されていたのが分かった。

結構華やかな音がするという評判で、それは確かだったが、ドンシャリ、中抜けというわけではない。質感のあるしっかりした音で、むしろ鮮明で透明感があり、ダイナミックな録音だ。演奏は悪くないどころか、スタンダードと言ってもよいほど、堂に入ったものだ。

2 現在、名門パリ管の音楽監督で、ブレーメン・ドイツ・カンマーフィルやシンシナチ交響楽団を率いての来日で、すっかり実力者として評価されるようになったパーヴォ・ヤルヴィ(ネーメ・ヤルヴィの息子)の「新世界から」は、とても気に入った。これまで耳にしなかった細部の副次的なモチーフが聞こえたりする譜読みの工夫やティンパニ、金管の強調も面白いが、全体として気品のある交響曲になっている。フィルアップの謝肉祭もスケルツォも手を抜かずに快調な演奏ぶりだ。

3 ユーリ・シモノフは、ちょうど10/26再放送された名曲探偵アマデウス「くるみ割り人形」で、20年ほど前のN響を指揮した指揮者だった。譜面を捲り間違えたりして、結構オッチョコチョイな面もあるのかも知れないが、ワルツの指揮ぶりなどは優雅で少々キザな動きをしており、ロシアの指揮者の面白いところだろう。このCDは、以前から1812年の大砲、銃、花火などの効果音が激しいことで有名だったもののようだが、他の曲も迫力ある演奏で、ロメ・ジュリは、カラヤン/VPOよりもしっくりくる演奏だった。

4 ヤナーチェクのオペラのスペシャリストで、近年はUKでも活躍していたマッケラスのR.シュトラウス作品集は、この中では大人しい演奏、録音だったが、これも悪くはない。

ロイヤルフィルの録音は、プレヴィンが常任を務めていた時代のテラーク録音や、デュトアのデッカへの協奏曲録音の録音が数枚ある程度で、地味なオケだと思っていたが、このシリーズは全体的に透明感のある録音で、強奏も迫力はあるのだが、うるさくなく、ダイナミックな腕達者なオケだという印象になった。

これで315円は廉すぎる。げんにHMVなどでは、別レーベルからの発売の輸入品は1,000円ほどの値段が付けられている。

シモノフの「春の祭典」などの注目盤が見当たらないのは、現在の発売会社が販売権を引き継げなかったのだろうか?

今の世の中、値段の付け方がもうめちゃくちゃになっているが、これもその表れのひとつだろうと思うと、少し暗澹とした気分にもなるが、面白いと言えば面白い。

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コメント

ホルストとR.シュトラウスは、同盤をよく聴いております。演奏・録音ともに優れたもののようで、楽しんでいます。このシリーズが初めて登場したとき、得体の知れない価格に恐れをなし、手を出さなかったことを後悔しています(^o^;)>
最近は、当地ではほとんど見かけません。もっとも、クラシック音楽のCD棚そのものが、顕著に縮小傾向にあり、困ったものです(T-T)

投稿: narkejp | 2011年11月 3日 (木) 07:59

narkejpさん、コメントありがとうございます。このシリーズのホルストとR.シュトラウスをお持ちでしたか!最近、ハンドリー指揮の「惑星」が過去の名盤にも勝るとも劣らないという評判を読み、最寄りの書店にあったので315円(税込)で買ってみました。ボックスセットなど、廉ければ一枚100円換算で買える時代で、振り返ってみればこのワゴンセールシリーズもその先駆けだったのかも知れませんね。今売られているのは日本の会社の国内製造・販売らしく、指揮者・演奏家名は小さく出ていますが、当初の輸入盤?には演奏家情報がなかったようにも思います。

メジャーレーベルでの、有名オーケストラの録音が激減し、各オーケストラの自主レーベル録音が増えている(T=トーマスとサンフランシスコ響のマーラーとか、ヤンソンスとバイエルン放送響など)し、ラトルとベルリンフィルではネットでの有料ライヴをお行っているようですが、今後のクラシック音楽の録音とリスナーへの配信は、ネットオーディオになるのかも知れないですね。

私の周辺でも中小のCD屋は店をたたみ、大手のメガショップや中古店はかろうじて残っていますが、実際私もネットでボックスセットを買うことが多くなっています。以前書いたHDDオーディオ、PCオーディオ、ネットオーディオが本格化しつつあるようで、CDというメディアは次第に衰退に向かうのかも知れませんね。あまりに世の中の流れが速すぎるとは思うのですが。

投稿: 望 岳人 | 2011年11月 5日 (土) 09:03

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