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2011年11月21日 (月)

『舟を編む』と『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん)

妻が、三浦しをんに注目しているらしく、借りてくるので、ご相伴で読ませてもらっている。

直木賞を受賞した『まほろ駅前多田便利軒』は、町田市が舞台の便利屋コンビが主人公の小説。シリーズ物ではないらしいが、連作短編集。「まほろ市」という架空の地名設定にしているが、町田界隈を知っている人には、実在の町田市をそのままモデルにしていることはすぐ分かるようになっている。鶴見川の水源などもご丁寧に出てくる。この著者らしい実在感のある人物像と設定の細やかさが面白かったが、他の作品に比べて少々類型的なストーリーのようにも感じた。別にこの作品に直木賞を贈らずとも、別の作品でもよかったのではなかろうか?

良質なエンターテイメントで知的な情報小説でもあるのは、最新の『舟を編む』。以前、音楽青春小説で 藤谷治『船に乗れ!』に似た題名で混同しそうだが、こちらは辞書編纂の話。長編小説だが、それほど長くもなく、とても読みやすく、辞書への関係者の思い入れや周辺人物の設定も巧く、これは誰にも薦められるいい小説だった。

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