グレゴリー・ソコロフ ライヴ・イン・パリ 2002/11/4 シャンゼリゼ劇場
ソコロフのライヴ・イン・パリのDVDが届いた。注文した時点ではHMVでは入手困難で、amazonを見たところ取り寄せ可能だったので、注文。1週間ほどで日本郵便で到着した。今朝見ると、amazonでは1点在庫となっていたが、まだ別の出品者からは新品が入手可能のようだ。また、HMVでも入手可能となっている。
すでに9年前のリサイタルのライヴ映像だが、画質、音質は大型LCDテレビで見ても問題はない。音質は、CDで聴くことができたソコロフ独特の美しいピアノの音をとらえており、ホールトーンも適度に入っている。
映像は、ロシア人的な大柄な体躯にもかかわらず、意外にもそれに比べて小さめな手が鍵盤の上で見事に駆使されるのをじっくり見ることができる。その反面、ペダルはあまり映されない。
ピアノは、Steinway & sons。英語のwikipedia か何かだったが、ソコロフは製造されてから年数の若いピアノを使用するとのことだった。ヴィヴィッドな音色の秘密はそこにも隠されているのかもしれない。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第9番 ホ長調 Op.14-1
ベートーヴェン:ピアノソナタ第10番 ト長調 Op.14-2
ベートーヴェン:ピアノソナタ第15番 ニ長調 Op. 28「田園」
この3曲は、曲間に間を入れず連続で演奏。初期の9番と10番が見事。「田園」は、見事な演奏だが、第1楽章では短いフレージングが曲調と少し合わないか?
コミタス・ヴァルダペット Komitas Vardapet(1869-1935)
ピアノのための6つの舞曲
1.エランギ
2.ウナビ
3.マラリ
4.シューシキ
5.エト-アラッハ
6.ショロール
アルメニアの作曲家ということだ。アルメニと言えば、ヘルベルト・フォン・カラヤンの祖先もアルメニア系ということではなかったろうか?語尾がアンと付く姓は、アルメニア系に多いということだが、コミタスの場合はそうではない。
単旋律的な民俗音楽で、ちょうどバルトークのピアノ曲に通じるものがある。中近東的なエキゾチシズムが感じられる音楽で、単音ゆえのピアノの音の美しさも味わえる。あまり知られていないアルメニアのクラシック音楽への関心を高めるデモンストレーションになっているのではなかろうか?
プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」
若きポリーニの画期的な録音がある作品だが、はるかにダイナミックでライヴとは思えないほどの打鍵の精度の高さだ。冷静な演奏態度ではあるが、集中力がすさまじく、初めてこの作品を聴き入ったような気がする。
―アンコール―
ショパン:マズルカOp.63-3
クープラン:ティク・トク・ショク、またはオリーブしぼり機(Le tic-toc-choc, ou Les maillotins) (クラヴサン第18組曲ヘ短調 Ordre No.18 1722より)
クープラン:修道女モニク(Soeur Monique) (クラヴサン第18組曲ヘ短調 Ordre No.18 1722 より)
2曲のクープランは、とても同じピアノから奏でられた音には聞こえない。すばらしく多彩なタッチのレパートリーを持ち、それを的確に使っていることが分かる。
ショパン:マズルカOp.68-4
ショパンの2曲のマズルカは憂いを籠めた近代的なピアノの音色になっている。少しリズムが重く感じるが、深い演奏だ。
バッハ/ジロティ編:前奏曲ロ短調(BWV855aによる) ギレリスのアンコールの録音を聴いたことがある。ロシアピアニズムの先輩ジロティ(シロティ)へのオマージュ的演奏だろうか?
一家に一枚ではないが、CDで聴いたときもそう思ったが、現代ピアニズムの極致の一つのように、大げさに言えば言いたくなる凄いものだ。
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