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2011年12月の4件の記事

2011年12月31日 (土)

2011年のおおつごもり

2011年も最終日となった。大みそかとは言うが、樋口一葉の小説にもあるおおつごもりという言葉は使われなくなった。

平成23年は、3月11日の大震災と大津波、そして原子力発電所のメルトダウン事故と、その後の放射性物質による広範囲な汚染いうことで歴史に記録される年となるだろうが、上半期のこの大事件から9カ月を過ぎ、喉元過ぎれば熱さを忘れるということわざ通り、新しい年を迎えることで、記憶的に薄くなってしまうような危惧がある。しかし、記録文学として、吉村昭の「三陸海岸大津波」(文春文庫)を読むと、明治29年、昭和8年、昭和35年に三陸海岸を襲った大津波が現地の聞き書きを元に克明に記録されており、これを5月に読んだときには、日々のニュース、新聞報道と重複するような生々しさを覚えるほどのもので、ショックを受けた。われわれ一般民衆向けのニュースには載らない描写がこの小説にはあり、今年の大津波はさらにむごたらしい被害があったのだろうと想像する。

人間の本性は、記憶し、都合の悪い記憶は忘却するところにあると言われているが、この大震災と大津波、それに続く原子力災害と、それが露呈させた政治や企業のゆがみやもろさ、その反面の人々のたくましさを、記憶し、ゆがみやもろさを是正することが後世にとっての責任なのだろうと思う。

個人的には、父方の伯父と伯母(伯父の奥さん)が相次いで亡くなった。父方の本家を継いだ伯父で、第二次大戦では航空機の整備兵として霞ヶ浦や厚木で勤務したという。終戦を厚木で迎えたが、マッカーサーが占領軍として厚木基地に来る前の、旧日本軍による反乱計画などの不穏な状況も味わったという話だ。戦後は、伯母と一緒に、菊の生花農家として活躍し、多くの賞を受賞もした。幼児から中学生ごろまでは、よく父親の実家ということで盆正月に遊びに行き、よい思い出も沢山ある。伯父の葬儀には参列できたが、伯母の葬儀には痛風の影響もあり参列できなかったのが、悔やまれる。改めてお礼を申し上げ、ご冥福を祈りたい。

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2011年12月26日 (月)

5ヶ月継続した食餌療法と健康診断結果

既に、冬至とクリスマスも過ぎ、今週で仕事納めになるところまで来た。

内外ともに多事多難な2011年も暮れようとしている。

12月、年賀状は、今年購入したPCへ年賀状ソフトとプリンタドライバの移行も比較的順調にいき、古いHPのプリンタへのエコインク注入などにてこずったが、例年より早く12/15の投函受付前に準備を済ませた。19日には、定期健康診断(人間ドック)を受診した。この間ブログからはなんとはなしに離れてしまった。

個人的には今年は7月と8月に痛風発作が10年ぶりに起きたことが、大事だった。水分を多く摂取する程度でなあなあで付き合ってきた高尿酸値血症だが、ニ度に渡っての発作、それもこれまで起きていなかった左足親指にも発作がおきて、相当不自由を強いられ、痛風腎など老年に向けての健康不安も大きくなったので、今度こそと一念発起して大幅な食餌(食事)療法に取り組んだ。

1.飲酒をまったくしなくなった。
飲み会があっても、アルコール不耐性の人と同様、ソフトドリンクだけにした。周囲の理解が肝心。

2.動物性たんぱく質(肉、魚類)をほとんど食べないようにした。
いかに肉や魚を当たり前のように食べているかが分かり驚いた。昭和30年代生まれの山間部の農村地帯育ちなので、小学生の頃は肉や魚類はそれほど食卓には上らなかったものだが、現代の食卓は野菜類よりも圧倒的にタンパク質源が多い。個人史単位の狭い見聞の中でも急激な食生活の変化を経験していることになる。自分は食生活を大幅に変えたが、妻や子ども達は比較的野菜料理が多くはなったとはいうものの、肉、魚類はこれまでと変わらず食べてはいる。タンパク源としては、プリン体の含有量としては多いほうだが、納豆は食べ、豆腐製品はそれなりに食べている。納豆は肉や魚ほど大量に食べられるわけではなく、多くても一日一食程度。

  参考:高たんぱく食とクエン酸など
http://hobab.fc2web.com/sub4-sutamina.htm

3.野菜料理をほぼ主菜として食べるようになった。
むしろ、現代の食生活では、野菜を食べることの方が面倒になりつつある。それでも我が家は、実家の父母が趣味で家庭菜園をやってくれて宅配便で送ってくれることもあり、多くの新鮮な無農薬野菜を豊富に食べられている。ただ、日常的には、手軽に摂取できる野菜としてキャベツの千切りを「発見」した。大型のピーラーで丸ごとのキャベツを削るようにすると千切りが手軽に簡単にでき、半分ほどの量を一食でポン酢やウースターソースなどで食べてしまう。また、食用油を多く使った野菜の天ぷらも旨いのだが、揚げ物系はほとんど食べず、野菜炒めなどで食べるようにしている。

4.牛乳が飲めるようになったのは我ながら驚きだ。毎日200ml飲むようになった。飲めないものとあきらめていたが、なぜかこの夏から飲めるようになったのだ。強い空腹感のときに飲むと癒されるので、特に効果があるようだ。カルシウム源、タンパク源となってくれている。

5.夕食後、薄めた酢を飲むようになった。これはクエン酸の摂取により尿酸由来の結石を作らないため。

6.コーヒー、緑茶、紅茶は飲む。午後は、コーヒーはノンカフェイン。

7.水分を沢山取るようになった。(職場の机の下に廉価な2リットル入りのペットボトル常備)

8.7月以来、昼食はオニギリ2個と牛乳で済ませるようになった。それまでは普通の弁当を食べていて、その前は外食だったので、大幅に摂取カロリーは下がっているはずだ。デスクワークなので一日2000kcalほどに抑えているつもりだが、レコーディングダイエットのような詳細な記録はとっていない。

第6次改定日本人の栄養所要量について

生活活動強度別 エネルギー所要量 (kcal/日)

年代別で見ると 生活活動強度低い1750kcal やや低い2000kcal となる。

http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9906/s0628-1_11.html

やや低い:通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車接客、家事等立位での業務が比較的多いほか大部分は座位での事務、談話などをしている場合。

9.間食(カキノタネやセンベイ、チョコレートなどの菓子類)をほとんど食べなくなった。

10. 故郷からの季節の贈り物のリンゴは10月ごろから朝夕に食べている。

以前にも書いたが、この食事内容は、海外でも流行しているという日本発祥の菜食主義であるマクロビオティックに近いようだし、よくよく考えると自分の先祖達が摂取したきた(摂取せざるを得なかった)菜食中心の食事に通じるものだ。遺伝的な体質からは逃れられないということを考えると、ほんの数十年前の山国の農村の米食・穀物・野菜中心の食生活に戻るのがいいのかも知れないと思えてくる。(参考:痛風その後

日本食が健康食とは、以前から言われているが、これが遺伝的素質を異にする他の民族・人種に適用できるかどうかは分からないのだが、それでも、今年健在ぶりをテレビで見た指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットの80歳を越えての矍鑠振りが、恐らくその菜食主義に支えられているのではないかということを知り(鶴賀『ヴァイオリニストは目が赤い』 新潮文庫)、それにも後押しされた感じだ。ブロムシュテットは今年の来日でのN響定期でも、長身痩躯だが、血色のいい顔色で、1時間を超す大曲を平然と立ち通しで指揮しており、とても80歳代には見えなかった。せいぜい60歳代というところだ。長老指揮者では、アンドレ・プレヴィンはものすごく太りすぎても元気ではあるが、ブロムシュテットは老齢の指揮者が椅子を使うどころの話ではない健やかさなのだ。

さて、7月以降の自分の変化はいい面も悪い面も含めて次の通り。

1.体重が毎月約1kgずつ減っている。8月に計測したときから、約6kg減量できた。

2.尾篭な話だが、排泄では下痢をしなくなった。形状が太く長くなった。このため、ビオフェルミンなどの胃腸薬を服用しなくても済むようになった。

3.排尿 勢いがよくなった。一時期アルカリ性食品などというものは無いなどという愚論を信じたことがあったが、それは誤りだった。尿の酸性度を弱める(アルカリ化する)食品(酸性度を中和する)が重要なのだ。
http://tufu.sakura.ne.jp/arukarisyokuhin.html

4.睡眠 寝つきはよくなったが、あまり変化はない。夜中に目が覚めるのは食事以外の原因だろう。

5.気分 昼食を減らしているので、夕食前に空腹になると少々イライラすることが少々増えた。これは何とかしなくてはならない。

6.12月に受診した健康診断の数値がほとんど改善した。

高尿酸血症により、特に腎臓が心配だったのだが、クレアチニンの値も(以前が悪かったわけではないが)よりよいほうに変わったので、相当ほっとした。

ただ、今回の食餌療法の目的だった血清尿酸値は通常範囲(6.9mg/dl)までは、もう少し下げる必要があることが分かった。尿酸値と中性脂肪との関連は過去の健康診断の結果では、中性脂肪が高いとその翌年の尿酸値が高くなっているというように時間間隔をあけての連関性があるようなのだが、食事で体重(中性脂肪)を減らすだけでは限度があるようだ。2009年並に体重は減ったのだが、腹囲はそのときよりも数センチ上回ってメタボ基準のギリギリにひっかかっていた。また中性脂肪が100以上あるので、まだ内蔵脂肪が蓄積しているものと思われる(CTで診察したわけではないが)。おそらく、内臓脂肪によってまだ尿酸値が高めになっているものと思われる。

内臓脂肪を減らすには2009年に体重を減らした時のような有酸素運動が有効なことはわかっているが、これを一年以上続けるようなのは、前回の経験からして、日常習慣にするのは相当困難なので、日常的に継続できる食餌療法で対応してみたい。

7.運動で減量したのではないため、手や足の血液の流れ自体がよくなっているわけではないらしく、この冬の厳しいさむさに、手足の冷えが気になる。

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ところで、痛風に関連して調べているのだが、カフェインはプリン体と相当化学構造が似ているのだという。ただ、カフェインの摂取は尿酸値とは関連性がどうやらなさそうだ。

また、腸内細菌や、外から取り入れる乳酸菌、納豆菌などの醗酵食品に含まれる微生物にもそれぞれの細胞ごとにプリン体を含んでいるはずで、そうだとすると膨大な量のプリン体源のはずなのだが、これが体内での代謝によって尿酸に変わらないものかどうか、疑問に思うようになった。20歳代からずっとヨーグルトを常食してきたのだが、これは高尿酸血症に影響を与えたということはないだろうか?ざっと調べたところでは、善玉の(大)腸内細菌は、尿酸値には関係がないようだが、本当のところはどうなのだろうか。もっと詳しく調べてみたいものだ。それに関連して、ビオフェルミンなどの乳酸菌胃腸薬の影響も気になる。この夏の発作まで、ビオフェルミンを常用していたので。

皮下脂肪と、内臓脂肪については、内臓脂肪が尿酸値に直接影響している。このあたりの理屈にも興味がある。

http://allabout.co.jp/gm/gc/299355/

http://allabout.co.jp/gm/gc/299214/

http://allabout.co.jp/gm/gc/298773/

http://allabout.co.jp/gm/gc/299212/

年末年始の運動不足と食べ過ぎに注意して、冬を乗り切り、内臓脂肪を減らして、尿酸値がどこまで下がるか試してみようとおもう。

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2011年12月 5日 (月)

吉村昭『海の史劇』(新潮文庫)

司馬遼太郎の『坂の上の雲』の裏面史的な作品だが、読み応え十分だった。

世界初の大艦隊によるヨーロッパから極東への大航海、それも特に英国には寄港妨害もされ、熱帯の暑さに苦しみ、日本海軍の出没の噂におびえ、そして第二次艦隊との途中合流など困難な課題を抱えながら、よくもまあ日本海沖までたどり着いたものだという苦難の航路だったようだ。

この12月の日曜日に、とうとうスペシャルドラマ「坂の上の雲」が203高地の奪取、奉天会戦、そして日本海海戦を描いて終結する予定だが、司馬流のヒーロー史観も楽しみつつ、吉村昭の淡々とした実証的な歴史小説で、裏面から同じ歴史を読むのはとても面白い。

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2011年12月 3日 (土)

グレゴリー・ソコロフ ライヴ・イン・パリ 2002/11/4 シャンゼリゼ劇場

ソコロフのライヴ・イン・パリのDVDが届いた。注文した時点ではHMVでは入手困難で、amazonを見たところ取り寄せ可能だったので、注文。1週間ほどで日本郵便で到着した。今朝見ると、amazonでは1点在庫となっていたが、まだ別の出品者からは新品が入手可能のようだ。また、HMVでも入手可能となっている。

すでに9年前のリサイタルのライヴ映像だが、画質、音質は大型LCDテレビで見ても問題はない。音質は、CDで聴くことができたソコロフ独特の美しいピアノの音をとらえており、ホールトーンも適度に入っている。

映像は、ロシア人的な大柄な体躯にもかかわらず、意外にもそれに比べて小さめな手が鍵盤の上で見事に駆使されるのをじっくり見ることができる。その反面、ペダルはあまり映されない。

ピアノは、Steinway & sons。英語のwikipedia か何かだったが、ソコロフは製造されてから年数の若いピアノを使用するとのことだった。ヴィヴィッドな音色の秘密はそこにも隠されているのかもしれない。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第9番 ホ長調 Op.14-1
ベートーヴェン:ピアノソナタ第10番 ト長調 Op.14-2
ベートーヴェン:ピアノソナタ第15番 ニ長調 Op. 28「田園」
この3曲は、曲間に間を入れず連続で演奏。初期の9番と10番が見事。「田園」は、見事な演奏だが、第1楽章では短いフレージングが曲調と少し合わないか?

コミタス・ヴァルダペット Komitas Vardapet(1869-1935)
ピアノのための6つの舞曲
1.エランギ
2.ウナビ
3.マラリ
4.シューシキ
5.エト-アラッハ
6.ショロール
アルメニアの作曲家ということだ。アルメニと言えば、ヘルベルト・フォン・カラヤンの祖先もアルメニア系ということではなかったろうか?語尾がアンと付く姓は、アルメニア系に多いということだが、コミタスの場合はそうではない。

単旋律的な民俗音楽で、ちょうどバルトークのピアノ曲に通じるものがある。中近東的なエキゾチシズムが感じられる音楽で、単音ゆえのピアノの音の美しさも味わえる。あまり知られていないアルメニアのクラシック音楽への関心を高めるデモンストレーションになっているのではなかろうか?

プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」
若きポリーニの画期的な録音がある作品だが、はるかにダイナミックでライヴとは思えないほどの打鍵の精度の高さだ。冷静な演奏態度ではあるが、集中力がすさまじく、初めてこの作品を聴き入ったような気がする。

―アンコール―
ショパン:マズルカOp.63-3

クープラン:ティク・トク・ショク、またはオリーブしぼり機(Le tic-toc-choc, ou Les maillotins)    (クラヴサン第18組曲ヘ短調 Ordre No.18 1722より)

クープラン:修道女モニク(Soeur Monique)  (クラヴサン第18組曲ヘ短調 Ordre No.18 1722 より)

2曲のクープランは、とても同じピアノから奏でられた音には聞こえない。すばらしく多彩なタッチのレパートリーを持ち、それを的確に使っていることが分かる。

ショパン:マズルカOp.68-4

ショパンの2曲のマズルカは憂いを籠めた近代的なピアノの音色になっている。少しリズムが重く感じるが、深い演奏だ。

バッハ/ジロティ編:前奏曲ロ短調(BWV855aによる) ギレリスのアンコールの録音を聴いたことがある。ロシアピアニズムの先輩ジロティ(シロティ)へのオマージュ的演奏だろうか? 

一家に一枚ではないが、CDで聴いたときもそう思ったが、現代ピアニズムの極致の一つのように、大げさに言えば言いたくなる凄いものだ。

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