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2012年5月15日 (火)

5月14日 Qさまというクイズ番組(テレビ朝日)で気になったこと

http://www.tv-asahi.co.jp/qsama/

長男が好きなので毎回楽しみに見ているのだが、 5月14日の放送の問題で、「10年間で患者数が増えている病気を書け」というのがあり、その選択肢の中に「自閉症」「痛風」があり驚いた。

(他の選択肢は、「うつ病」「片頭痛」「脱毛症」「エイズ」「前立腺がん」「アルツハイマー病」「睡眠障害」「緑内障」「「痔核」で、上記2つを含めた全11の内、減っているものが一つだけあり、それを選ぶと「ドボン」でクリアならずというルール)

まずは、「自閉症」が、病気に分類されていることに驚いた。

この障がいについては、近年「成人の発達障害」に関する新書なども何種類か発行されていて単なる後天的な病気ではないという認識が相当広まってきていると思っていたが、テレビのようなマスメディアレベルでは単なる病気(治療により回復できる)だと認識されているようで、その証拠に回答の時に表示されたイメージイラストがその誤解をよく表していた。おそらくイラストレーターと番組制作者の認識は、「自閉症」という一般的な症状名からの連想で「引きこもり」「うつ状態」のようなものと考えているのだろう。

近年そのような誤解を避ける意味や、個々人によって異なる多様な状態を表すために自閉症スペクトラム(スペクトル、連続体、分布範囲)、「広汎性発達障害」と呼ばれるようになっているのだが、この「症状」自体が、広い意味では、個性や性格の一種であり、それが社会的に受け入れられるかどうか(その症状のどのあたりの段階までが社会的な適応ができるか)は、その社会の性格を逆にあぶりだすような「障がい」だと認識されているようだ。

現在の研究では、先天的な脳の「特徴」の表れであり、その意味でいわゆる一般人の性格や能力(知能、運動神経)が「治療」できないのと同じように、「治療」という概念があてはまるかどうかも分からない。アスペルガー症候群は、自閉症・広汎性発達障害の内、特定領域のIQが高いものを指し、あまりいい意味ではないがアスペという略語で語られることも増えている。

先の大阪維新の会に「自閉症は両親の愛情不足」であるというような条例案の存在が暴露され、維新の会の代表である大阪市長が撤回せざるを得なかったことともども、政治家、官僚、マスメディア関係には、熟慮を切に願いたいものだ。

ただ、後で調べてみると、厚生労働省のホームページの平成20年患者調査(傷病分類編)には、で自閉症が項目名として取り上げられていたので、いわゆる「病気」に分類したのは番組だけの責任とは言えないが、番組としての一家言ある取り上げ方が望ましかった。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/suiihyo19.html

また、このクイズでは、患者数が減っているものが誤答なのだが、痛風患者はこの10年間で減っているという。とても意外に思った。というのも、その予備軍である「高尿酸血症」は近年急激に増加していて、特に40代未満の若年層にも増えていると言われているからだ。

なお、これについても厚生労働省のホームページでは、

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/suiihyo38.html

とされており、実際外来患者数は減っているとなっており、番組はこれに基づいているのだろうが、高尿酸血症が問題になっている昨今、この取り上げ方は、視聴者に誤解を与えるものだといえよう。

「日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会編:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版),2010」

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