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2012年7月20日 (金)

米澤穂信 古典部シリーズ(『氷菓』など、角川文庫)

このシリーズは、7月15日の朝日新聞の読書欄の売れ筋で紹介されたが、この春から始まった深夜アニメの影響でこのシリーズを読み始めた。妻はすでに第1巻を読んだことがあったらしく、そのイメージとアニメーションのイメージが合わないと言っていたが。

アニメーションとのコラボは最近多く、地味だったこのシリーズだが、相当の売れ行きを見せているらしい。

この作家の金沢や東尋坊を舞台にしたサスペンス小説『ボトルネック』の後味があまり良くなかった印象を持っていたが、この青春ミステリーシリーズは結構面白かった。

もどかしい感じや、本歌取りの対象の先行ミステリーにこだわり過ぎているのか構成的に無理な感じも受けることがあるけれど、殺人事件やそれに類するような重大な刑事事件がまったくないのは、高校生活を舞台にしたものとして好ましい。

ただ、自分が高校生だった頃は、こんなにものを考えていただろうか、行動しただろうか、と記憶をたどると、やはりその意味では青春物は、青春を過去のものとして客観視できるようになってから書けるものかとも思ってくる。

ミステリものは、読み終えるとその記憶が相当薄れてからでないと読み返しはできないものだが、このミステリ風青春小説は、意外にもそんなことはなく、直近での読み直しにも耐えるようだ。ここは主観的なものかも知れないが、なかなかそのような本はあるものではないので、その点よく書けているのではなかろうか?

ただ、カバーがアニメーション放映に合わせて、アニメがらになっているところが、大人の読者にとっては少々敷居を高くしているところかも知れない。

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