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2012年10月24日 (水)

アンナ・マグダレーナ・バッハ 『バッハの思い出』(山下肇訳)

先日届いたグールドのバッハ録音全集を聞きながら、以前買ったまま通読していない『バッハの思い出』(講談社学術文庫)を再読しようかと思いついた。

現在では、「回想録」の形式をとったフィクションということが判明したものだが、この翻訳では、あとがきで若干フィクションではないかという疑念に触れているものの、著者は、アンナ・マグダレーナ・バッハとなったままである。購入した当時は、それが心の棘でもあったり、バッハの二番目の妻が語ったものということで、少々居心地が悪くなるほどの甘美な賞賛と思い出が語られていることもあり、逆にすんなりと入っていけない気分に襲われて、読み通すことができないでいた。

Her fictive autobiography "The Little Chronicle of Anna Magdalena Bach" was written in 1925 by the English author Esther Meynell.  This sentimental narration of the family life of Bach is not based on any sources and is probably far from the personality of Anna Magdalena Bach.(英語版Wikipedia)

それでも辛抱しながら読み進めると次第にその口調にも慣れてきて、次第にマグダレーナ・バッハの語りの世界に入り込んでいくような気分となった。

これまで読んできた伝記などに紹介されている事件や出来事が要領よく小説的にまとめられていて、このエスター・メイネルという女流作家の熱意のようなものが感じられる。

終盤の晩年の章では、これまでの批判的で、冷笑的な読み方はすっかり追いやられてしまい、没入状態に近くなった。

購入してから長い時間がかかったが、フィクションということを理解した上で読めば、バッハへの共感に資することはあっても、マイナス面はあまりないように思うようになった。

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