スヴェトラーノフの録音集を携帯音楽プレーヤーで聴いている
2012年7月 2日 (月) スヴェトラーノフの芸術 20枚組ボックス (マンフレッド交響曲をきっかけとして) を、最近携帯音楽プレーヤーに取り込んで、通勤の往復に聴いている。
スヴェトラーノフは、晩年NHK交響楽団にも客演して、N響団員にも多くの感銘を与えたことは「ヴァイオリニストは目が赤い」の筆者も触れていたが、この一連の録音を聴くにつれ、ソ連時代の音楽生活と、ソ連人、ロシア人のロマンチシズムのことを思うことが多い。
鉄の規律でレニングラードフィルハーモニー交響楽団を率いた即物主義の化身のようなイメージのエフゲニー・ムラヴィンスキーのような指揮者いたが、同じエフゲニーでもスヴェトラーノフの方は、「爆演」で名が高いけれど、一方ではセンチメンタルなほどのロマンチシズムも持ち合わせていたように聞こえる。
ただ、ロマンチックな解釈、音色、節回しと並んで、オーケストレーション上のアンバランスさが同居するというエキセントリックさも感じられる。振幅が激しいのだろう。
ブラームスの交響曲は、前回の記事の時にも感心したことは書いたが、今度聴いても感銘を受ける演奏だ。
十八番(おはこ)であるチャイコフスキーは、より後年の日本公演のライヴの録音も存在するのだが、ここに収録されているのは比較的若い頃の録音で、比較的ストレートな解釈だ。その中で、「弦楽セレナーデ」がたっぷりとした弦楽の美音と細部まで神経の行き届いた楽団員たちのアンサンブルによって、とても聴きごたえのある音楽になっている。
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