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2012年11月の3件の記事

2012年11月27日 (火)

スヴェトラーノフの録音集を携帯音楽プレーヤーで聴いている

2012年7月 2日 (月) スヴェトラーノフの芸術 20枚組ボックス (マンフレッド交響曲をきっかけとして) を、最近携帯音楽プレーヤーに取り込んで、通勤の往復に聴いている。

スヴェトラーノフは、晩年NHK交響楽団にも客演して、N響団員にも多くの感銘を与えたことは「ヴァイオリニストは目が赤い」の筆者も触れていたが、この一連の録音を聴くにつれ、ソ連時代の音楽生活と、ソ連人、ロシア人のロマンチシズムのことを思うことが多い。

鉄の規律でレニングラードフィルハーモニー交響楽団を率いた即物主義の化身のようなイメージのエフゲニー・ムラヴィンスキーのような指揮者いたが、同じエフゲニーでもスヴェトラーノフの方は、「爆演」で名が高いけれど、一方ではセンチメンタルなほどのロマンチシズムも持ち合わせていたように聞こえる。

ただ、ロマンチックな解釈、音色、節回しと並んで、オーケストレーション上のアンバランスさが同居するというエキセントリックさも感じられる。振幅が激しいのだろう。

ブラームスの交響曲は、前回の記事の時にも感心したことは書いたが、今度聴いても感銘を受ける演奏だ。

十八番(おはこ)であるチャイコフスキーは、より後年の日本公演のライヴの録音も存在するのだが、ここに収録されているのは比較的若い頃の録音で、比較的ストレートな解釈だ。その中で、「弦楽セレナーデ」がたっぷりとした弦楽の美音と細部まで神経の行き届いた楽団員たちのアンサンブルによって、とても聴きごたえのある音楽になっている。

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2012年11月23日 (金)

WIKIPEDIA記事 の ガラパゴス化

すっかり生活に定着した WIKIPEDIA。悪貨なのか良貨なのかと言われたら、良貨なのかも知れない。専門家の監修を経ていないので、中には、とんでも記事があるけれど、まあ役に立っている。

クラシック音楽関係の記事について、日本語記事だけでは心もとないことがあるので、英語やドイツ語、フランス語版を参照することがあるけれど、どうも日本語記事のユニークさは、突出してきているように思われる。 文化的なガラパゴス化とでも言うのだろうか? 独自進化をしているようなのだ。

日本のコンピュータシステム(ソフトウェア)への侵入が少ないのは、日本語の仕様書に基づいて書かれているからだという報道がなされていて、最近のウェブ銀行サイトでのパスワードをだまし取ろうとするポップアップが相次いだのは、日本語を読めるような外国のハッカーが出てきたからだとも報道されていた。

日本語の壁はそういう意味でまだまだ高いのだろうし、これからもどうなっていくのだろうか?

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2012年11月 4日 (日)

『神様のカルテ3』 夏川草介(小学館)

2011年7月11日 (月) 2011年本屋大賞ノミネート作品のいくつかを読んでみて で触れた『神様のカルテ2』の続編。

相変わらず、コーヒーが美味しそうな小説だった。しかし、インスタントコーヒーでそれほどの味の差が出るものだろうかは、疑問だ。

信州松本の信州大学をモデルにした信濃大学医学部出身の内科医が、地域医療の中核病院で恐ろしいほどの激務をこなすシリーズの第3弾。外来に入院患者に、手術にと医師の多忙さはこの夏の病院でも感じたが、これはやはり医療行政の問題でもあるのだろう。この小説に書かれているほどの激務を一人ひとりの医師がこなしていかなければならないとすれば、医師不足は深刻だろうし、偏りもあるのかも知れない。

ちなみに、2012年の本屋大賞は、こちら。 

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2012年本屋大賞の受賞作発表
順位 書籍名/作家 得点
大賞 舟を編む 510.0点
  著/三浦しをん(光文社)  
2位 ジェノサイド 355.5点
  著/高野和明(角川書店)  
3位 『ピエタ』 324.0点
  著/大島真寿美 (ポプラ社)  
4位 くちびるに歌を 265.0点
  著/中田永一(小学館)  
5位 『人質の朗読会』 213.0点
  著/小川洋子(中央公論新社)  
6位 『ユリゴコロ』 208.0点
  著/沼田まほかる(双葉社)  
7位 『誰かが足りない』 173.5点
  著/宮下奈都(双葉社)  
8位 ビブリア古書堂の事件手帖 153.0点
   ―栞子さんと奇妙な客人たち』  
  著/三上延(アスキー・メディアワークス)  
9位 『偉大なる、しゅららぼん』 137.5点
  著/万城目学(集英社)  
10位 『プリズム』 72.0点
  著/百田尚樹(幻冬舎)  

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読書感想記事のあるものにリンクを張ってみた。

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