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2013年8月10日 (土)

電子ブックLideo で「大菩薩峠」を読了した

中里介山の『大菩薩峠』を読了した。

電子ブックリーダーでなくても、PCなどにより青空文庫で読むことはできるのだが、どういうきっかけだか、ときおり話題に上るこの大作・問題作を、昨年末にLideo を購入してから読み始めた。断続的に読んでいたので、2013年の6月までまでかかってしまった。

読む前のイメージと、読後感はまったく異なるものだった。

大正時代から昭和初期の剣豪小説ということだったので、深沈たるイメージの古臭い感じの文体で、陰鬱な内容が延々と続くのだろうと思っていたのだが、先入観に反して、饒舌な文体による、多くのな登場人物が江戸や甲州を中心として、西は京都、南は奈良、紀伊半島、伊勢、北は金沢、仙台、および中部山岳地帯(白骨温泉、高山)、海上、無人島を舞台にしての活劇だった。八方破れと評してもいいもので、残念ながら、最後は未完に終わってしまっていた。

大衆小説でもあり、一種の思想小説的な側面も持っているもので、長いことは長いが、主人公の存在が最後にはどうでもよいようになってしまう大群像活劇で、大旅行小説の破天荒なストーリーへの違和感を抱かなければ、少々ばかげているとは思いつつも、通読は可能ではなかろうか? 

時代設定は、明治維新直前であり、その意味で藤村の「夜明け前」の頃に一致するのも、何らかの因縁を感じさせる。

このような膨大な巻数の大長編には、電子ブックは似合っているのかも知れない。

(元記事 2013年6月)

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