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2013年8月13日 (火)

安彦良和 「ナムジ」「神武」 (記紀神話再解釈)

今年の初夏、5月か6月に、職場最寄の駅前書店で、中公文庫のこのコミックシリーズがなぜか平積みで売られていた。

ネットで調べてみると、1990年頃に発表された作品で、その当時にそれなりに話題になった作品だったらしいが、知らずにいた。このコミック・アニメーション作家の作品としては、ガンダムがあまりに有名だが、この記紀神話の再解釈ものは、荒神谷遺跡からの大量の銅剣出土などを契機とする梅原猛の出雲神話の再評価(「神々の流竄」の否定)に通じるようなものでは無かったのだろうか?

因幡の白兎神話などで子どもにも知られ、出雲大社に祀られる大国主命は、記紀神話の記述でも非常に多面的な性格を併せ持つ神のようだ。その子とされる建御名方神は、天照大神の使いの建御雷神の命に服さず力くらべをしたが負け、信濃国(長野県)諏訪湖まで逃れ、同地に鎮まったとされるが、古代信濃の諏訪が神話に登場し、諏訪神社が全国各地でいまだに尊崇されている事実と相まって、出雲と信濃という遠い国の間の古代の交流がどのようなものであったかなどと想像を膨らますのも楽しい。諏訪に入るには、険しい美濃から木曽の道よりも、日本海側を海路で巡って、糸魚川から安曇野に出、そこから諏訪に入るのが順路だろうと思うが、さにあらんか、大国主命と糸魚川の奴奈川姫との間の子が、諏訪に祭られている建御名方神と、神話でも語られている。

このような象徴的な神話を、リアリズム的な解釈により、ストーリー化したものが、このナムジ、神武で、そのストーリー性の巧みさには感心した。原田常治という人の「古代日本正史」(*)がこのタネ本であることを、著者である安彦氏自身が明らかにしている。

(*)神社伝承学 http://www2.plala.or.jp/cygnus/k1.html (真説日本古代史)

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